しかも、自衛隊はこれで近いうちにもっとも危険な中東に派兵されることになる。安倍は今回の会見では「ISILに関しましては、我々が後方支援をするということはありません」と語っていたが、こんなものは嘘っぱちだ。昨年7月の閣議決定では、「中東やインド洋も事態が発生する地域から排除できない」としているし、自民党の高村正彦副総裁もNHKの番組で「日本の平和と安全に重要な影響を与える事態は世界中どこでもありうる」と述べている。安倍自身も中東のホルムズ海峡が機雷で封鎖されるといった程度のケースを「日本の存立が根底から覆される事態」と言及してきた。ようは、時の政権の判断でどうにでもなるのだ。
かけてもいいが、イスラム国との戦争が長引けば、必ず自衛隊が投入される事態がやってくる。そして、この戦争で自衛隊員の戦死者が続出した次は、日本の民間人がテロの対象となり、日本国内でもテロが頻発するようになる。
しかし、どんな事態になったとしても、安倍首相は絶対に責任をとろうとはしないだろう。むしろ、嬉々として「日本の自衛隊員の尊い死を無駄にするな」「テロは許せない。絶対に報復する」と戦争をエスカレートさせる口実に使うはずだ。
この“サイコパス”政権の暴走を止める方法はないのだろうか。
(野尻民夫)
最終更新:2015.05.16 11:43