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「殺傷せずに破壊」「デモ以上テロ未満」官邸ドローン事件犯人の心の声を聞け!

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官邸に飛ばされたドローン(YouTube「ANNnewsCH」より)


 男はなぜドローンを飛ばしたのか──。

 首相官邸屋上に小型の無人航空機・ドローンが発見された事件は、あまりにもあっけなく幕が降ろされた。24日夜、福井県在住の男性(40、以下Yと表記、「容疑者」は省略)が出頭したのである。連行された彼は、キャップを目深に被り、迷彩柄のパーカーに身を包んでいた。

 Yは、大飯原発から約5キロの福井県小浜市に住んでおり、今月9日に、東京・赤坂で4つのプロペラと小型カメラがついたドローンを飛ばし、首相官邸の屋上に墜落させた、威力業務妨害の疑いで逮捕。ドローンには、発炎筒と、ペットボトルのような容器が取り付けられており、容器には英語で「放射性の」と書かれたシールが貼られていた。容器の内部からはセシウム由来の放射線が検出され、それは福島で採取した汚染土だという。「ただちに人体に影響はないレベル」だと報道されている。

 NHKの報道によると、Yは小浜市内の自宅で家族と生活しており、県内の高校を卒業後、自衛隊に入隊。その後にメーカーの工場に勤務していた。Yによるものとみられるブログによれば、Yは「薄型テレビの生産増で若干名の正社員募集があり30歳を過ぎて運よく一部上場に滑り込んだ」会社を、昨年夏に退職したという。

 報道されているYの動機は、「原発政策への抗議」。ネット上ではYに対する「完全に放射脳」「キチガイ左翼が武力行使にでたw」「民主主義に対するテロだな」という非難の声で溢れている。一方では原発に反対する人々からの反発の声も強い。たとえば、NPO法人環境エネルギー政策研究所所長の飯田哲也氏は、毎日新聞の取材に対して「揚げ足を取られる軽率な行動」と指摘している。

 たしかに、Yによるブログと思しきものを読んでみると、そこからは過剰ともいえるような原発への危機感が伝わってくる。

 Yは「官邸サンタ」という名で、昨年7月から今年4月までに計43本の記事を投稿していたが、そこにはこんな記述が登場する。

〈【川内原発安全審査合格内定、今秋再稼働目指す】/川内原発の再稼動までもう間が無い/小泉純一郎が総理大臣だったら今頃全廃炉に向かってただろうか・・・/川内が動けばドミノ倒しのように全国の原発が動く・・・/遠く離れた鹿児島の事だが我が小浜市にとって他人事ではない〉
〈3.11を境に超絶危険地帯に・・・/小浜市にも過去に原発建設計画があったが猛反対/でも周りにこんだけ原発作られたら意味無い・・・〉
〈原発に包囲された小浜市や若狭町に再稼動への同意権はない/だが原発が事故ると直撃コースだから避難することになる・・・〉(2014年7月16日のエントリー・「小浜市」より)

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