しかし、この高市陣営による誹謗中傷動画問題ではもうひとつ指摘しておきたいことがある。それは、この“ステマ手法”、野党や政敵・政権批判者を攻撃する卑劣な情報工作が、「自民党のお家芸」であるということだ。とくに第二次安倍政権以降の、この十数年の間、自民党は組織ぐるみでこの卑劣な手法を駆使し、野党やメディア攻撃、世論誘導をおこなってきた。
たとえば、2013年の参院選を前にニコニコ動画で生中継された党首討論会では、当時自民党のネットメディア局長を務めていた平井卓也・初代デジタル大臣が、社民党・福島瑞穂党首の発言中に「黙れ、ばばあ!」、安倍晋三首相の発言に「あべぴょん、がんばれ」などと書き込んでいたことが発覚している。
自民党内の足の引っ張り合いならまだしも、国政選挙を控えて実施された党首討論で、野党の党首に対して「黙れ、ばばあ!」などと誹謗中傷コメントを書き込む──。しかも、自民党政権はこのような“前科持ち”を後に初代デジタル大臣に抜擢しているのである。
さらに言えば、やはりデジタル大臣を務めたことのある平将明氏も、自民党ネットメディア局長時代、自民支持者にネガティブキャンペーンを推進した過去がある。
自民党は2017年の衆院選公示直前に、自民党の公認組織で他党や政敵へのネガティブキャンペーンをおこなう“ステマ部隊”として使っているといわれてきた「自民党ネットサポーターズクラブ(J-NSC)」の緊急総会を開催。そこでは「ネトサポ」と呼ばれる会員から「“従軍慰安婦像の辻元清美”や“手榴弾を投げる人民解放軍姿の志位和夫”の画像は誹謗中傷になるか?」といった質問が飛び出したのだが、当時ネットメディア局長としてJ-NSCを統括していた平氏は「あの、個人のご判断だと思います、はい」と笑いながら返答し、容認したのだ。
野党議員に対する悪質なコラ画像による投稿を容認することは事実上、公党としてネガキャンを実行させているようなもの。こうした卑劣なネット戦略を推進させてきたのが、自民党の正体なのだ。