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維新の「定数削減」が“すり替え”である証拠! 昨秋に選挙バナーで政治とカネに不透明な自民党との連立は「不可能に決まってる」宣言

 そして、最大の問題は、力の強い政党による「独裁化」が進みかねないという点だ。

 今回の維新案は衆院比例をターゲットにしているが、2023年に当時維新の代表だった馬場伸幸氏は「国会議員は半分(にする)」などと発言。参院をなくして一院制にすべきと主張していた。自民が飲むかどうかは別として、維新が今後、さらなる議員削減を言い出しても不思議ではない。そうなった場合、人口の少ない地方ほど議員数は減らされるだろうし、さらには地盤や知名度のある候補者を多く抱えた大政党の力が増していくことになるだろう。

 その最たるモデルケースが、大阪府議会だ。吉村代表が今回、テレビで盛んに「(維新は)実際に(議員定数)20%削減というのをやりました」などと胸を張っているが、実際、大阪では2011年以降、維新が主導して府議会議員が109人から79人に、市議会議員は81人から70人に減らされてきた。とくに府議会は3割減の影響で1人区が増加し、2023年の選挙では維新が有権者の26%の得票であるにもかかわらず7割の議席を獲得。このような大阪府議会における維新「独裁」化が進んだ結果、たとえばカジノを含む統合型リゾート(IR)誘致の是非を問う住民投票条例案は、たった1日の質疑をおこなっただけで維新などの反対多数によって否決。20万近い有効署名をした住民の民意を踏みにじったのだ。

 吉村代表が突如ぶち上げた「国会議員の定数削減」について、憲法学者の南野森・九州大学教授はX上でこのような危惧を示している。

〈民主主義なので最後は多数決で決めざるを得ないにせよ、「選挙制度こそ本当の憲法だ」との言葉があるくらい選挙制度は国の未来を左右する重要なもの。与党だけで定数削減や選挙制度改変をして良いとの発想はとてつもなく危険。少数派・反対派が議席を得られなくなるような法改正までほんの数歩です。〉

これまでの維新の振る舞いを考えれば、「国会議員の定数削減に賛同しない議員は既得権益を守ろうとする国民の敵」というレッテル貼りをし、攻撃することで「維新は改革政党」という印象を植え付けていく算段なのだろう。だが、こんな党利党略で民主主義が破壊されるなど、あってはならないこと。あまりに露骨なすり替えに批判が殺到したためか、閣外協力との情報も出ているが、今後の維新および吉村代表の言動を注視しなければならない。 

最終更新:2025.10.19 08:16

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