実際、維新の連中は、都合の悪い報道に対して「偏向だ!」とがなり立てることで批判的な報道を封じ込めてきた。橋下徹氏が大阪府知事・市長時代からマスコミに恫喝をかけ、松井一郎・前市長もカジノ用地賃料をめぐる疑惑を報じた毎日放送に対して“質疑拒否”をおこなうという強権的な態度に出た。橋下氏にいたっては、コメンテーターとなった現在も、「私人」であることを強調する一方で「(大屋根リングに)いま反対してる人、名前全部リストアップしてるから」(ABEMA TV『NewsBAR橋下』2023年11月18日放送)と述べるなど、その体質に変わりはない。
こうした結果、とくに在阪メディアは維新の政策を批判的に扱うことを萎縮し、ヨイショ報道がまかりとおる事態となってしまった。だからこそ、大阪万博の問題を報道する『モーニングショー』や当然のツッコミを入れる玉川氏は吉村知事にとって目障りであり、「出禁だ」などという言論統制の発言を平然とおこなったのだ。
吉村知事は昨年末も、大阪万博に「行きたい」と答えた人の割合が落ち込んでいることについて問われた際、「批判の報道しかされないから増えるわけがない」などと逆ギレしていた。だが、万博の機運醸成がうまくいっていないのは批判的な報道のせいではなく、公金の使われ方に納得がいかない人が増えているからにほかならない。そうした現実に目を向けず、真っ当な批判をおこなう者を「敵」認定して攻撃し、ついには公の場で言論統制発言までする──。吉村知事の増長を許してきた在阪メディアも、今度ばかりはしっかり吉村知事を猛批判すべきだ。
(編集部)
最終更新:2024.04.04 10:24