左・下村氏/右・山谷氏(自民党HPより)
メディア各社の世論調査で軒並み支持率が急落している岸田政権。18日に公表された毎日新聞と社会調査研究センターの世論調査結果では、岸田内閣の支持率は前回より7ポイント下落の29%。自民党の支持率も23%となっている。
参院のドンと呼ばれた青木幹雄・元自民参院議員会長はかつて “内閣支持率と与党第1党の政党支持率の合計が50%を割るとその政権が倒れる”という「青木の法則」を唱えたとされるが、今回は内閣支持率29%+自民党支持率23%=52%だから、岸田政権は政権崩壊寸前の危険水域にあるということになる。
無論、この背景にあるのは、世論を無視して安倍晋三・元首相の国葬を押し切ろうとしている点、そして自民党が実施した統一教会と党所属議員との関係についての「点検」がお手盛りだった点が響いていることは言うまでもない。
しかし、それでもなお自民党に反省の色はまったく見られない。いや、反省どころか、統一教会問題では、とりわけ関係が深いと見られている下村博文・元文科相と山谷えり子・元国家公安委員長という閣僚経験者2人が、メディアの追及報道に逆ギレ。下村氏にいたっては抗議までおこなっている始末だ。
しかも、下村氏と山谷氏の反論には、正当性もへったくれもない。
まず、下村氏の場合。自民党が公表した「点検」結果では、統一教会との関係について「寄付もしくはパーティー収入あり」という項目でしか名前が出てこない下村氏だが、それどころではない関係を14日配信の「文春オンライン」および15日発売の「週刊文春」(文藝春秋)が報道した。
衆院選を目前に控えた2021年10月9日、下村氏は板橋区立グリーンホールで「国政報告会」を開催したが、同じ場所でその直後におこなわれたのは、統一教会および国際勝共連合の関係者である青津和代氏の講演会だった。その講演会で青津氏は、下村氏との関係や陳情の裏話を、こう語っていたというのだ。
「私も十数年前から先生とご縁を持たせて頂きまして」
「選挙のたびに、マニフェストに載せていただくように。『青少年健全育成基本法』と『家庭教育支援法』は、何としても自民党が達成して頂きたいということで。政調会長室に今回も伺いましたし、議員会館の方にも伺いました」
「総裁選の(出馬断念を)先生が発表される前々日くらいにお伺いしたんですよね。政調会長室にお伺いしたときにですね、事務方の秘書を呼びつけて下さって。『家庭教育支援法、青少年健全育成基本法を必ず入れるように』ということで。文面もちゃんとお渡しすることができまして、非常に誠意をもって対応して下さいました」
ようするに、青津氏が下村氏に長年にわたって働きかけをおこなった結果、統一教会が実現を目指している「家庭教育支援法」と「青少年健全育成基本法」が自民党の政権公約に書き込まれた、と青津氏は語っていたというのである。
さらに「週刊文春」は、この衆院選の直前に統一教会の関連団体・世界平和連合から推薦状を得ていたとし、組織的支援を受けていたのではないかと報じたのだ。