しかし、佳子内親王はこうしたバッシングに晒されても、まったく怯むことなく個を貫いてきた。
今月10日、日本のガールスカウト活動100周年を記念する「国際ガールズメッセ」の式典に、佳子内親王はビデオメッセージを寄せたのだが、そのなかで世界経済フォーラムが今年3月に発表した「ジェンダーギャップ指数」で、日本は世界156カ国のうち120位だったことについて、「この現状はとても残念です」と述べたうえで、こう語った。
「今後ジェンダー平等が達成され、誰もが人生の選択肢を増やすことができ、自らの可能性を最大限生かしていけますように。そしてそれが当たり前の社会になりますようにと願っております」
言っておくが、佳子内親王は別に政治的に偏向した発言をしたわけではない。「女性の人権」という近代社会における普遍的な真理、国際社会でも常識になっている問題について語っただけである。ところが、この発言にも「皇族は政治発言を慎むべき」「皇室の政治利用」「皇族が左翼思想」「どんな教育受けてんだよ。この姉妹」などという非難コメントが殺到した。
しかし、それでも佳子内親王は自分の考えを自分の言葉で語るということをやめなかった。そして、今回、姉の結婚に際しても、世間からバッシングを浴びることをわかっていながら、姉と小室氏を支持し、報道を批判するコメントを発表したのである。
皇族というもっとも前近代的な因習や家族制度に縛られている制度のなか、自分の意思で結婚をつらぬいた眞子氏と、自分の言葉を発し続けている佳子内親王。改めて2人の勇気には拍手を送りたいが、しかしこれは、逆説的に考えれば、いまの皇族制度のなかで個人がいかに抑圧されているか、そのことを証明したともいえる。
国民に対する差別と抑圧の装置となってきただけでなく、皇族そのものを苦しめることにもなっているこの制度を、そろそろ本気で見直す必要があるのではないか。
(編集部)
最終更新:2022.01.02 09:01