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自衛隊機撤収、アフガン置き去りの裏に日本大使館の無責任! 英仏や韓国は大使館が最後まで支援、日本は大使館員だけ先にトンズラ

 もっとも大きかったのは、初動の差だ。今回、韓国はかなり早い段階から退避を進めており、まず、17日の段階で、民間人も含めた在アフガニスタン韓国人を全員退避させていた。

 そして、22日深夜には、韓国軍が現地に展開。同日、経由地のパキスタンの了解を取り付け、韓国大使館などに努めていたアフガニスタン人とその家族390人を移送するオペレーションを開始した。

 すでに広く報じられているように、26日の爆破テロ以前から、カブール空港周辺は国外脱出のために多くの人が殺到するなど混乱状態が起きていて、空港周辺はタリバンの厳しい検問が敷かれていたため、自力で空港にたどり着くのが困難な状況にあった。

 そこで、韓国は政府が6台のバスを手配。別の場所に集まった365人をバスに乗せて、空港に移送した。バスにはさらに、タリバンの厳しい検問を突破するために、米軍に同行してもらい、タリバンとの交渉を依頼していたという。

 25日の時点で全員を空港に集め、C-130輸送機でパキスタンのイスラマバードに移送。26日に377人がKC-330輸送機で仁川に、残る13人も27 日に仁川に退避させている。

 ところが、日本は日本人大使館員については17日に全員退避させたものの、現地スタッフについてはなかなか動こうとせず、自衛隊機が日本を出発したのは、24日だった。

 韓国と日本でこんなに差がついたことを、一部のマスコミは「1日違いでたまたま移送できず」と、この差が偶然であるかのような報道をしていたが、初動の差は1日どころではない。自国民については1週間以上、現地アフガニスタン人スタッフについても、少なくとも3日は韓国より遅れを取っていた。

 空港周辺でテロが起きる可能性は22日頃から米軍が呼びかけていたのに、日本はなかなか動こうとしなかったのである。

 実際、旧タリバン政権崩壊後、政府特別代表として武装解除にあたった伊勢崎賢治氏も朝日新聞で「駐留米軍の撤退期限が今月末に迫る中、今月初めから自衛隊機派遣を含めた退避支援を政府に進言していたが、初動が遅れた」と語っていた。

 しかも、日本は当初、移送はあくまで空港から国外に脱出する自衛隊の手配だけで、それ以外のケアはしていなかった。ようするに「空港までは自力で来い」という姿勢だった。

〈カブールに到着した自衛隊員や外務省職員は空港外に出られず、輸送機に搭乗したい人は自力で空港に入る必要がある。〉(読売新聞 8月27日)
〈退避を希望するスタッフらは自力で空港まで移動する必要があり、実際に空港までたどりつけるかが課題となっている。〉(朝日新聞 8月27日)

 最終的には、韓国と同様、バスを出すことになったようだが、JAICAのアフガニスタン人スタッフらが政府のバスに乗り込んだのは、26日。出発直前に空港の爆破テロがわかり、結局、引き返さざるをえなくなった。

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