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菅政権が検討、三浦瑠麗、ホリエモンらも賛同「コロナの5類引き下げ」に騙されるな! 感染対策は放置され治療費は自己負担に

 まず、大前提として「5類引き下げ」を主張する人の多くが「コロナはインフルエンザ並み」などと言うが、季節性インフルエンザの死亡者数は毎年3000人前後とされているのに対し、この約1年半のあいだにコロナで亡くなった人は国内で1万5000人を超えている。また、京都大学iPS細胞研究所所長でノーベル賞受賞者の山中伸弥教授は「私が知る限り、人類が経験した呼吸器疾患のウイルスで、最大の感染力」と警鐘を鳴らしている。そもそも「インフルエンザ並み」に扱える感染症ではない。

 政府をはじめ「5類」への引き下げを訴える者たちが主張するのが、「2類は入院勧告の対象で軽症・無症状でも入院措置となり医療機関に負担がかかっている」というものだが、周知のとおり、2類相当の現在でも軽症・無症状者は必ず入院措置がとられているわけではないし、重症患者や重症一歩手前の患者の増加によって入院すべき状態の患者が入院できないという状況に陥っている。いま入院勧告の対象から新型コロナを外したところで入院すべき患者が減るわけではないのだ。

 さらに、前出の木村氏は「感染者数が増えてくれば、全てを把握しなければならない保健所が回らなくなってしまう。また、医療機関でも防護服に身を包んで陰圧室という特別な部屋で診ることが原則になっているし、患者を移動させる際にはいちいち消毒をし、濃厚接触者をチェックしなければならない」などと述べて5類相当への引き下げを主張しているが、すでに東京などでは保健所も感染経路の調査まで手が回らなくなっている。だいたい、木村氏が現在のデメリットとして挙げている「防護服着用で陰圧室での診察」や「いちいち消毒」、「濃厚接触者のチェック」は院内感染や市中感染を広げないために必要なものばかりだ。

 しかも、このほかにも、5類に引き下げられれば、感染者に対して、外出の自粛要請も出せなくなり、就業制限もかけられなくなる。そうなれば感染がさらに広がって新規感染者数は増加し、医療逼迫に拍車をかけることになるのは間違いない。5類に引き下げることがいかに危険か、という話だろう。

 さらに、5類への引き下げにはもっと大きな問題がある。それは、公費で賄われている入院・治療費に自己負担が生じることだ。たとえば、国立病院機構近畿中央呼吸器センターの呼吸器内科医である倉原優氏は「Yahoo!個人」の記事でこう指摘している。

〈5類感染症にした場合、検査費用(PCR検査、画像検査、血液検査など)、治療(例:レムデシビルは5日治療で約38万円の薬価)、酸素投与、人工呼吸管理などは最低3割負担の支払いになります。医療費が高額になるため、おそらく高額療養費制度を用いることになりますが、それでも「えっ、こんなに高いの!」とビックリする自己負担額になることは間違いありません。〉

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