大阪府公式チャンネルより
またまた、大阪府・吉村洋文知事の失政を暴露するデータが出てきた。昨日の記事では今年1月から5月21日の間に、入院できず「自宅死」した感染者が全国で最多の28人にのぼっていることをクローズアップしたが、今回、明らかになったのは医療崩壊ではなく、「給付金の遅れ」の問題だ。
2回目の緊急事態宣言で支給することになっていた飲食店などへの協力金が6月はじめの時点でどれくらい支給されているかを本日、朝日新聞が報道したのだが、大阪が対象都府県のなかでダントツの最下位だったのである。
2回目の緊急事態宣言は、今年1月8日から東京、神奈川、埼玉、千葉の首都圏4都県に出され、同月14日から大阪、京都、兵庫の関西3府県、愛知、岐阜の東海2県、福岡県、栃木県が追加された。
宣言期間中、これらの都府県は感染防止策として飲食店などに営業時間の短縮を要請。応じた店には、国の「地方創生臨時交付金」などを財源に協力金を支払うこととしていた。
ところが、今回、朝日新聞が調査したところ、実際の支払いには都府県間の大きな差があった。たとえば、最も支給が高い福岡県は99%。そのほかの県も、埼玉県97%、栃木県95%、愛知県94%、京都府91%、兵庫県91%と、対象の11都府県のうち7府県が90%以上の支給率だった。
ところが、大阪の支給率はこれらの府県よりなんと、30%も低い「64%」にすぎなかったのだ。
言っておくが、これは大阪が人口の多い大都市を抱えているからではない。たとえば、東京都の申請件数は大阪の11万4000件の2倍近い22万2000件で、緊急事態宣言の期間も長かったが、支給率は84%。つまり、大阪は東京の半分の申請件数しかないのに、支給率は20%も低いのである。
大阪の協力金支給遅れを物語るデータは、きょうの朝日の報道だけではない。ジャーナリストで「インファクト」編集長の立岩陽一郎氏が6月13日の「yahoo!個人」で「全国で飲食店を展開する企業」の都府県別協力金入金状況が記された内部資料を公開していたのだが、東京都90.0%、神奈川県85.9%、愛知県100.0%などに対して、大阪府の入金はなんと30.1%。しかも、受け取れた協力金も申請から入金までの期間が10.8週と、東京や神奈川の2〜4倍の時間がかかっていた。
とにかく、大阪だけがレベルの違う“支給遅れ”をさらけ出しているのだ。これは、どう見ても、大阪の行政に問題があるとしか思えない。
朝日では、「協力金は1カ月以内に振り込んでほしい。倒産してからもらっても意味がない」「吉村(洋文)知事の厳しい要請も守ってきたが、正直者が馬鹿を見ると痛感している。中小企業を見捨てるのか」などという大阪の飲食店経営者の怒りの声が紹介されていたが、そのとおりだろう。
吉村知事は、2回目の緊急事態宣言の際、「経済を回す必要がある」などと言って、前倒し解除を要請していたが、なんのことはない、自分の自治体で倒産を招くような支給遅れを平気で放置していたのである。