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大阪死者続出なのに『めざまし8』で谷原章介、3時のヒロイン福田麻貴らが「吉村知事はタイプ」「肌がきれい」話で盛り上がる異常

 一体どういう神経をしていたら、こんな会話、放送になるのだろう。「全部背負いすぎているみたいな感じ」と谷原は言ったが、それが市民の命を預かる首長の仕事であり責務だ。にもかかわらず、宣言の前倒し解除要請を筆頭に吉村知事はそれを放棄してきたのだ。

しかも、その吉村知事の無責任政策のツケは、いま府民が払わされている。現に入院もできず自宅療養を余儀なくされたり、入院先やホテル療養先が見つからず調整中になっている患者は合わせて約1万7000人にものぼっている。「全部背負いすぎている」のは吉村知事ではなく、府民であり医療従事者にほかならないのだ。なのに、責任を問うこともなく、あっけらかんと「吉村さん、頑張ってください!」って……。

 つまり、吉村知事本人が出演して自己弁護・自己正当化せずとも、このようにメディア側が率先して吉村知事から政治責任を取り除き、「イケメンの頑張っている知事」に仕立ててくれる、というわけだ。

 そして、このようにメディアが吉村知事を「勝手に漂白、浄化」する構造に深く影響を与えていると見られるのが、橋下徹氏の存在だ。

 実際、この放送日には出演していなかったが、橋下氏は『めざまし8』の月曜と木曜の総合解説を務めている。本サイトで取り上げ、大きな反響が寄せられた「大阪コロナ重症センターは3月末で閉鎖する予定だった」と吉村知事が自己正当化するためにホラを吹いた(詳しくは既報参照→https://lite-ra.com/2021/04/post-5848.html)のも同番組でのことで、その日は橋下氏も出演し、吉村知事をアシストしていた。

 これは『めざまし8』にかぎった話ではない。橋下氏が不定期ゲストとしてしょっちゅう出演する『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ)や『Mr.サンデー』(フジテレビ)、『ゴゴスマ』(CBCテレビ)、『バイキングMORE』(フジテレビ)などでも同様だ。

ようするに、橋下氏が曜日レギュラーとして深くかかわっている番組であるために、自然と吉村知事のフォローがはじまる構造ができあがってしまっている。そういうことではないのか。

 実際、橋下氏がテレビ局に与えている影響力は大きい。たとえば、橋下氏は新型コロナの初期から「PCR検査抑制論」を喧伝し、積極的な検査を訴えていた『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)と玉川徹氏を名指しにして他局の番組で攻撃しつづけてきたが、テレ朝の上層部はABEMAで冠番組を持つ橋下氏の影響力の大きさから『モーニングショー』の報道内容を問題視し、現場では萎縮ムードが広がっていったともいわれている。

 政界を引退した橋下氏が、吉村知事の後ろ盾としてメディア政治を展開する。メディアから引く手あまたの橋下氏のテレビでの存在感を考えれば、政界にいたときよりもその影響力は甚大になっているかもしれない。そうしたなかで、吉村知事の責任を追及する報道が抑えられ、それどころか現実を無視した無用な持ち上げが起こっているのではないのか。──そう考えれば、吉村知事だけではなく橋下氏の責任も重大だと言わざるを得ないのだ。

最終更新:2021.05.07 10:56

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