まったくふてぶてしいにも程があるが、これには記者からも質問が集中。「会見をやらずとも国民の協力を得られると思うのか」などと質問したのだが、すると菅首相は逆ギレしたように、こう言い張ったのだ。
「きょう、こうしてぶら下がり会見をやっているんじゃないでしょうか。先程は、まさに、日本全体の見通しを明確に申し上げることができるような状況のなかで、ここは会見をおこなうべきだというふうに思っています」
「必要なことには答えているんじゃないでしょうか」
「東京を中心とする首都3県、1都3県、ここがまだ、極めて厳しい状況のなかで、解除の会見をすることによって、まさにこの首都3県……首都4……1都3県についてはですね、3月7日の期日までに解除できるように徹底して、いま対策をおこなうことが必要だというふうに思ってますんで、そういうなかで、全体を見た上で、会見をすべきだと判断しました。いずれにしろ、近々そういうときが来るわけですから」
しかも、その後ものの数問に短く答えただけ、さらには朝日新聞の記者が声をあげているのに、菅首相はそれを無視して「よろしいですか?」とその場を立ち去ろうとした。記者から声があがったために菅首相は仕方なく「最後にしましょう」と言って追加の質問を受け付けたが、「正式な会見とぶら下がりの違いは何だと考えているか」という質問に対して「それはみなさんが考えることじゃないですか」と言い放ち、こうつづけたのだ。
「まだ首都圏で解除の方向性が出ていないわけでありますから、そういうなかで内閣総理大臣として、全体のなかでですね、発言はやはり控えるべきだと思いますよ?」
人口も多い都市部を含む6府県の宣言を解除するのだから、6府県の住民に向けて今後の対策を説明すること、まだ解除されていない首都圏で今回の解除によって緩みが出ないようメッセージを発信することが必要かつ重要なのは当然のことだ。なのに、首都圏が解除されていないことを強調し、“正式な会見での発言を控えることは当然だ”などと言い募ったのである。
そして、「今度の会見では質問を打ち切ることなく最後まで答えてもらえるか」という質問に対しては、こう述べた。
「いや、私も時間がありますから。でもだいたいみなさん出尽くしてるんじゃないですか。先程から同じような質問ばかりじゃないでしょうか」
会見をおこなわなかったことの納得できる答えをしないから質問を重ねているのに、「同じような質問ばかり」などと言い、菅首相は記者の前から立ち去ったのだった。