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菅首相が「明るい話聞いた」相手は「コロナはインフル並み」「日本で死者増えない」が持論の医師 安倍首相も集団免疫論にハマって…

 いや、安倍前首相はもうひとり、もっとトンデモな主張をする医学研究者のブレーンがいた。それは上久保靖彦・京都大学特定教授だ。

 上久保教授は、「集団免疫獲得をゴール」どころか、昨年夏の時点ですでに日本人は集団免疫を獲得していると主張しており、年内に収束、第2波は来ないと主張していた(しかも、大木教授と同じく、その主張が完全に外れても悪びれることもなく、12月になってからは「『第3波』の大きな波は早ければ来年1月、遅くとも3月には収束する可能性もある。『GoToトラベル』の停止や緊急事態宣言などはまったく不要だ」などと主張している)。

 ところが、安倍首相は大木教授と面会する約1週間前の6月12日、その上久保教授と面会しているのだ。そして面会後、「この理論が何とか使えないか」と指示までおこない、関係者をあきれさせていたという(北海道新聞2020年8月23日付)。

 ネトウヨ脳の安倍首相が「日本人は大丈夫なんだ」などとわめきたてている光景が思い浮かぶが、実際、安倍首相は積極的な感染防止対策を何ひとつ打たず、医療提供体制の強化も図らなかった。

 前述したように、スウェーデンが北欧で唯一、コロナ対策に失敗し、多数の死者を出している背景には、公衆衛生庁を主導する疫学者のアンデシュ・テグネル氏が集団免疫に肯定的だったことが大きく影響しているといわれるが、もしかして日本でも同じように、無為無策の政治家たちのうしろに集団免疫論者の存在があったということだろうか。

 しかし、安倍前首相や菅首相のケースをみていると、その行動はスウェーデン以下と言って言いだろう。なぜなら、日本の後手後手対応はもっと前から始まっており、安倍前首相や菅首相が集団免疫理論に飛びついているのは、自分たち失策を正当化するためでしかないからだ。

 だから、軌道修正を図っているスウェーデンとは対照的に、安倍前首相や菅首相はその後も無為無策を続け、いまも陰謀論や正常性バイアスに耽るネトウヨのように、「コロナはインフルエンザと同じ」「集団免疫を獲得すればコロナは収束できる」というトンデモ理論にはまり続けているのだ。

 この危機的な時代に日本はとんでもない最高権力者を選んでしまったというしかない。

最終更新:2021.01.20 09:49

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