そういえば、柿崎氏、出演しているワイドショーでは、安倍政権を批判することはあっても菅氏について厳しく批判することはあまりなかった。
たとえば、菅応援団番組としても知られる『ひるおび!』が、昨年の菅氏の誕生日である12月6日に、菅氏を大擁護する特集をした際も、恵俊彰や八代英輝弁護士らの浮ついた絶賛にまじって、柿崎氏は菅氏について「負ける勝負もやる」「守りが強いのは攻めが強いから」「状況対応だけじゃなくて、状況も作れる」「政局も政策も両方をやってる」「横浜市議時代、1期で自民党を牛耳り、2期で陰の市長と呼ばれていた」「大技も小技もできて、攻めも守りもできる」「キング候補とキングメーカーが一緒になったレアケース」とかなり本気の評価を披露していた。
そして、安倍退陣表明前後から、さらに露骨に菅氏を評価する発言も目立つようになった。柿崎氏は8月31日付の「文春オンライン」には「政権“居抜き”『河野首相×菅官房長官』なら長期政権も」なる長文を寄稿しているが、このなかでも、ポスト安倍候補を「菅義偉★4.0」「石破茂★3.5」「河野太郎★3.0」「岸田文雄★−」「小泉進次郎★−」と採点し、菅氏を「安定感あるが『ポスト菅』不在」と絶賛して最有力候補に押し上げている。
「柿崎さんは菅さんのポスト安倍に向けた動きにも全面協力していたはず。菅氏の首相就任演説も柿崎氏がスピーチライターだったのではないかという説もあるほどですから」(前出・全国紙政治部デスク)
表では安倍政権を批判していた政治ジャーナリストが、実は裏でその政権の実働部隊長と繋がり全面協力していたとは呆れ果てる。しかも、菅氏が首相になった途端、今度はその関係をあからさまにして、首相補佐官に就任するというのだ。
「今回の人事情報は官邸周辺から漏れてきている。安倍首相に近かった官邸内の右派勢力がこの人事を潰そうと事前にリークしている可能性もあるので、まだひっくり返る可能性はゼロではない。しかし、もし柿崎氏がこのまま就任すれば、首相補佐官の中でも相当に重要なポジションを任せられるのは確実。それこそスピーチライターはもちろん、柿崎氏はテレビ、新聞、野党や公安警察など幅広い人脈があるため、マスコミや政界工作まで担うことになるかもしれない」(全国紙官邸担当記者)