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アグネス逮捕も「引き続き懸念」だけ…歴史修正では強硬な安倍政権が香港問題ではなぜ弱腰なのか? 背景に安倍首相の人権意識

 この通り一遍の“見解”がいかに空々しいものかは、他国の高官による非難声明と比較すれば一目瞭然だ。たとえば、アメリカのポンペイオ国務長官は、黎智英氏の逮捕を受けて「中国共産党が香港の自由を奪い、人々の権利を侵食していることのさらなる証拠だ」とツイート。イギリスのジョンソン首相の報道官も「国安法が反対派を沈黙させる口実に利用されていることをあらためて示す根拠となった。香港当局は市民の人権と自由を保持しなければならない」「報道の自由は中英共同宣言と香港基本法で明確に保障されているとともに、国安法第4条により保護されているはずだ」と非難。ともに今回の弾圧が人権問題であると批判している。

 国内野党の党首のコメントと比較しても同様だ。立憲民主党の枝野幸男代表は〈周庭氏、黎智英氏の逮捕をはじめとする香港における表現弾圧、人権侵害に強く抗議します。表現の自由、政治活動の自由という普遍的人権を守る活動に連帯の意を表します〉とツイートし、日本共産党の志位和夫委員長も〈香港警察が、香港紙創業者・黎智英氏、民主活動家・周庭氏を、「国安法違反容疑」で逮捕したことに、強く抗議する。弾圧の即時中止、釈放を強く要求する。こうした暴圧は「社会主義」とは全く無縁の専制主義そのものだ。人権抑圧は国際問題であり、国際社会が暴挙を許さない声をあげることを訴える〉と投稿。他国の高官や国内野党党首とくらべれば、日本政府の態度は圧倒的に弱腰だ。

 だが、これはいまにはじまった話ではない。象徴的なのが、6月上旬に明らかになった、香港への国安法導入をめぐり中国政府を批判するアメリカ、イギリスなどによる共同声明への参加を、日本政府が拒否した問題だ。

 これは共同通信が6月7日に報じたもので、〈複数の関係国当局者〉が明らかにした情報として、〈香港への国家安全法制の導入を巡り、中国を厳しく批判する米国や英国などの共同声明に日本政府も参加を打診されたが、拒否していた〉〈中国と関係改善を目指す日本側は欧米諸国に追随しないことで配慮を示した〉という。

 しかし、この共同通信の記事に安倍自民党のネトウヨ議員が次々と噛みつき、記事内容を全否定。この共同電を配信していた産経新聞が記事を削除したことから、「共同通信のデマ記事」だと決めつけた。

 さらに、翌8日には時事通信が「日本の対応「米英も評価」 中国の国家安全法導入方針で―菅官房長官」というタイトルで記事を配信すると、ネトウヨたちは「デマ記事確定」扱いをした。

 だが、本サイトが当時報じたとおり(https://lite-ra.com/2020/06/post-5467.html)、この報道はデマなどではない。菅官房長官はすでに日本単独で「憂慮を表明した」ことを持ち出したり、「米英は日本の対応を評価している」と繰り返しただけで、「共同声明の打診はあったのかどうか、そしてそれを拒否したのかどうか」という問題には一切答えず、明確に否定しなかった。

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