1月23日におこなわれた野党合同ヒアリングに出席した総務省の自治行政局選挙部の担当者は、参院広島選挙区の場合、選挙費用の法定上限は「4700万円くらい」と述べた。つまり、自民党本部が投入した1億5000万円の約3分の1だ。
案里議員は「違法性はない」と言うが、1億5000万円を選挙資金として投入されながら、支出をその3分の1におさめたとは考えにくい。
ようするに、河井議員の選挙は違法だらけだったのだ。しかも、問題はこの原資が「安倍マネー」である1億5000万円だったというだけではない。前述したように、安倍首相は秘書を最低でも4人も送り込んでおり、選挙戦の指導、陣頭指揮をとっていたという。だとしたら、安倍事務所の秘書が違法な選挙実態を知りながら見て見ぬふりをしていた可能性、さらには違法な運動を指導していた可能性すらあるのではないか。
“官邸の番犬”黒川広務・東京高検検事長が定年延長になって、検事総長就任が濃厚になった今、検察がこれ以上の不正追及をできるかどうかは微妙だが、少なくともメディアはこの問題を逮捕容疑になった「ウグイス嬢への違法報酬」だけで終わらせてはならない。背後にある安倍マネーと安倍事務所から送り込まれた4人の秘書がやったことを徹底追及する必要がある。
(編集部)
最終更新:2020.06.17 01:55