その後も、2人の激烈な政権批判は続く。田中が小泉政権、安倍政権と続く「アメリカのポチぶり」を批判し、「アジア、ヨーロッパの小さな国と緊密な関係を築いて、自立した国になるべきだという論を展開すると、2人の間でこんなやりとりが展開された。
久米は「そのくらいのこと、安倍さんはわかってないんですか?」
田中「わかってないでしょ」
久米「どうして?」
田中「あまり利口じゃないから。勉強してない」
久米「なるほどね、すごい同感します」
田中「そういうことです」
また、財政赤字の問題に話が及ぶと、田中は歳出の見直しを主張し、タブーともいえる防衛費に切り込んだ。
「アメリカ製の武器、購入。行っちゃあゴルフやってきて、言われるとトランプとやるとOK、OK。ゴルフはOKでもね、OとKしか言えないんですかね。安倍さんの頭では。そういうことでオスプレイとかイージスアショアの迎撃ミサイルでしょ。F35売れ残っているようなものばっかり押し付けられて……。特に F 35はすでに 42機あるんですよ。防衛省に聞きました。ところが、2019年の閣議決定だからといって勝手に決定してさらに105機買うことにしてきちゃった。あの安倍ちんが」
さらに、なぜ、安倍首相がアメリカの言いなりなのか、がテーマになると、田中と久米は安倍首相が信奉する祖父・岸信介とアメリカの特別な関係にまで踏み込んだ。
田中「日本はアメリカの属国じゃないんです。それを、岸信介さんという方が、安倍さんのおじいちゃんが……。東條内閣の主要閣僚だったのね、その後、助命してもらったから、ずーっと宿痾ですよ、彼も。それが頭の中にあった、トラウマね、言ってみれば。アメリカに物は言えない! おじいちゃん助けてもらったから。私、そうだと思っていますよ。それ以外、考えられない」
久米「だってあの人、今の首相ですけど、なんでじいさんの教えを守って、じいさんの後、くっついていくだけで精一杯なんですか?」
田中「お母様が生きているからでしょ」
久米「じいさんは1回巣鴨(プリズン)に入った人ですからね。あの人の考え方を未だに踏襲してるって」
田中「なんであの方だけが、巣鴨から出てきたんですか! 他は絞首刑になったのに」
久米「なんで、出てきたんですか? アメリカにイエスと言ったからなのですか?」
田中「外務省に私、何度も聞きました。みんな答えません。何があったんですか? アメリカとの間に。そのへんから歴史をつまびらかにしなきゃダメですよ」