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検察庁法改正問題で松尾元検事総長らが安倍首相を「ルイ14世」「中世の亡霊」と批判! 小泉今日子、オカモトレイジ、浜野謙太らも抗議を続行

「ただの説得力無し男」とはまさしくそのものズバリの指摘だが、本日、松尾邦弘・元検事総長ら検察OBが法務省に提出した検察庁法改正案に反対する意見書はさらにすごかった。

 というのも、黒川氏の定年延長を閣議決定したことから今回の改正案まで、その問題点をことごとく挙げて批判し、さらには安倍首相の振る舞いを、絶対王政を確立したルイ14世になぞらえたのだ。

〈本年2月13日衆議院本会議で、安倍総理大臣は「検察官にも国家公務員法の適用があると従来の解釈を変更することにした」旨述べた。これは、本来国会の権限である法律改正の手続きを経ずに内閣による解釈だけで法律の解釈運用を変更したという宣言であって、フランスの絶対王制を確立し君臨したルイ14世の言葉として伝えられる「朕は国家である」との中世の亡霊のような言葉を彷彿とさせるような姿勢であり、近代国家の基本理念である三権分立主義の否定にもつながりかねない危険性を含んでいる。〉

 本サイトでは、安倍首相の「我が軍」発言や「こんな人たちに負けるわけにはいかない」発言に対して「お前は絶対君主か!」とツッコミを入れたことがあったが、まさか、元検事総長や元高検検事長らが名を連ねる意見書で、「お前はルイ14世か!」のツッコミが入るとは……。つまり、それくらい安倍首相の独裁傾向によって、この国は危機的状況にあるということだ。

 しかも、この意見書では、〈検察が萎縮して人事権まで政権側に握られ、起訴・不起訴の決定など公訴権の行使にまで掣肘を受けるようになったら検察は国民の信託に応えられない。正しいことが正しく行われる国家社会でなくてはならない〉〈黒川検事長の定年延長閣議決定、今回の検察庁法改正案提出と続く一連の動きは、検察の組織を弱体化して時の政権の意のままに動く組織に改変させようとする動き〉と指摘した上で、最後は、こう締めくくられているのだ。

〈心ある国民すべてがこの検察庁法改正案に断固反対の声を上げてこれを阻止する行動に出ることを期待してやまない。〉

 このタイミングで検察OBが法務省提出の法案に反対の意見書を提出するという異例中の異例の行動に出たのは、国民による抗議の声の高まりを受けてのことであることは疑いようもない。抗議の盛り上がりに対し「自己満足」「やっても無駄」などと足を引っ張る輩も少なくないが、こうして検察OBを動かしたように、確実に空気の流れは変わってきている。

 安倍自民党はきょうも強行採決に走ろうとし、いまなお今国会での成立を諦めていないというが、それを阻止できるのは国民の声の高まりしかない。今週末、さらに声をあげ、もはや無視できないところまで追い詰める。それはけっして不可能なことではないのだ。

最終更新:2020.05.15 09:04

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