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志村けんや阪神・藤浪選手が証明した「検査不要論」の嘘! それでも検査しない日本、安倍首相「死亡者が少ないから」は本当か

 ようするに、検査の拡大は、世界的にも効果があることが実証され、いまやスタンダードとなっているのだ。にもかかわらず、日本だけはあいかわらず、検査数を抑え込み続けている。

 この姿勢は、感染拡大や重症化を招いているだけではない。行政がきちんと政策を打ち出すためには、疫学調査が必要だが、日本は検査の母数が圧倒的に少ないため、正確な情報を伝えることができず、科学的根拠に基づいた政策を打ち出せなくなっている。政府や自治体は「諸外国と比べて、感染者数の増加のスピードを抑えられている」「一定程度、持ちこたえている」などとあやふやな見解を出しているが、その正誤を検証する材料もない。

 その結果が唐突な全国一律休校などの場当たり的政策だ。もっと広く検査をしていれば、地域ごとに休校が必要か必要でないかの判断もできるが、それもないため、全国一律などという粗雑な施策になってしまったのだ。これからやろうとしている学校再開の判断でも、地域ごとの感染実態に応じてと言っているが、そんなデータはどこの自治体も取れていない。

 今後、緊急事態宣言やロックダウンを行う場合も同様だ。正確な疫学調査をしていないため、その是非も、タイミングも、全て政治判断任せ。国民もそれが妥当かどうかチェックしようがない。

 とにかく、 感染防止、重症化阻止、疫学調査、政策決定など、あらゆる面で、検査を拡大させる必要があることは自明なのだ。

 ところが、日本ではこの期に及んでも、まだ検査不要論を叫ぶ声が後を絶たない。

 その代表的な意見は「検査拡大すると医療崩壊する」というもの。軽症者まで病院に殺到したら、医療対応ができなくなり、病院での感染が拡大、イタリアのようになってしまうというのだ。

 しかし、これ、完全に逆だろう。イタリアで医療崩壊がおきたのは、そもそも医療費大幅削減で医療体制が劣化していた上、かなり前から感染が広がっていたにも関わらず、きちんと検査をしなかったからだ。逆に、検査をあれだけやってもドイツは医療崩壊なんて起きていないし、韓国も初期に集中的に患者が出た大邱で危機状態になったが、それ以外ではまったく医療崩壊なんて起こっていない。

 日本でも医療費削減で病床や人手が不足しているのなら、なおさら早く実態を掴み、感染数が増えた場合の体制を整えておかなければならない。国内のキャパシティで無理なら、韓国や中国、台湾など海外に支援を求めることだって検討すべきだろう。

 だいたい、無症状者や軽症者が病院に殺到するというが、それを防ぐためには陽性者を全員、隔離入院させなければいいだけだろう。無症状・軽症者には病院ではない待機用の隔離施設を別途、確保すればいい。(家庭内感染も多いので自宅待機は避けたほうがいいし、やむを得ず自宅待機とする場合は2週間外出しないで済む行政のサポートが必要だろう)。それを提言しないで、医療崩壊を防ぐために、検査を実施せず、国民に感染を知らせないようにするというのは、ほとんど独裁国家のやり口と変わりがない。

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