まあキャンセル料も何も、一般の宿泊客とちがって、組織委員会からの発注ということなら、延期された2021年の開催期間中に、同規模で使用するだろうから、日程がずれるだけで完全にゼロになるわけではないのだから、そこまで心配する必要もないだろう。というか、その前にちょっと待って欲しい。
大会組織員会から3万6000泊以上依頼しているということは、『スッキリ』も試算していたように、アパホテルには少なく見積もっても3億円以上が入ることになる。
正式な契約金額は一体いくらなのか。そして、これは競争入札か何かで公正に決められたものなのだろうか。
ここで思い出すのが、やはり安倍首相の“お友だち”企業であるパソナと東京五輪の関係だ。
本サイトでは、五輪の無償ボランティアと同じ仕事内容を、組織委がパソナを通じて有償アルバイトを募集していることが発覚した際に、パソナとの契約について組織委に問い合わせた【https://lite-ra.com/2019/11/post-5118.html】。すると、契約金額は明かさず競争入札についてもオフィシャルスポンサーだからという理由で競争入札は行っていないとの回答だった。
もし競争入札でなかったとしたら、アパホテルはオフィシャルスポンサーにはなっていないので、安倍首相と関係の深い企業だということが、この選定の判断に影響していないのだろうか。
2018年にはアパホテルを傘下とするアパグループの元谷外志雄代表が創設した「公益財団法人アパ日本再興財団」の顕彰制度を、内閣府が公益目的事業として認定するという事件があったが、このときも森友・加計と同じく安倍首相との深い関係を忖度したのではないかといわれていた。
いや、仮に競争入札など公正な手続きを取っていたとして、そもそもアパホテルに、「平和の祭典」を標榜する五輪・パラリンピックのような国際的イベントで宿舎を提供する資格があるのだろうか。
アパホテルといえば、元谷外志雄・アパグループ代表は、「安倍首相のビッグサポーター」(by片山さつき)であり、田母神俊雄氏や自民党の杉田水脈衆院議員らを輩出した「真の近代史観」懸賞論文の主催で知られる“極右界隈のタニマチ”ともいわれる人物。その極右思想・歴史修正主義が国際的に大問題になったこともある。