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「大阪・兵庫間往来自粛」は吉村府知事と松井市長の“完全なる誤読”だった! 国からそんな要請はなし 『翔んで埼玉』もびっくり

 まず文書の上部の〈現状分析〉という見出しのなかの〈大阪府、兵庫県の全域において〉という部分が赤線で囲まれており、〈見えないクラスター連鎖が増加しつつあり、感染の急激な増加が既に始まっていると考えられる〉〈次の7日間(20〜27日)に患者586人(うち重篤者30+9人)〉〈次の7日間(28〜3日)に患者3374人(うち重篤者227人)〉といった見通しや試算が書かれている。吉村府知事はこの試算について昨日も述べており、これを重視して兵庫との往来自粛を呼びかけたとしている。

 しかし、問題はここではない。その後に続く〈必要な対策の方向性(案)〉という部分だ。

 文書の下部には〈必要な対策の方向性(案)〉とあり、〈段階1 警戒段階〉として、手指衛生の徹底や休校、イベント中止の呼びかけなどの項目が並んでいるのだが、その中の一つに赤鉛筆で1本の太い線が引かれている。その赤線の引かれた部分には、こう書いてあるのだ。

〈大阪府・兵庫県内外の不要不急な往来の自粛を呼びかける〉

 そう。「大阪府内外の往来」と「兵庫県内外の往来」の、自粛が提案されているのであって、大阪府と兵庫県の間の往来の自粛が提案されたわけではないのだ。

 たしかに、その是非はともかく、感染拡大を抑えることを考えれば、感染者の多い両府県同士の往来を控えるより、両府県内での外出や両府県とそれ以外の地域の往来を控えるほうが対策をしては自然だろう。

 意図的に読み替えているのか、誤読なのかは定かではないが、吉村府知事の言う「国から提案された」対策と、実際に取っている対策は、まったく違うものということになる(赤線まで引いてドヤ顔で書類画像をアップしているところを見ると、やはり誤読しているのだろうか)。

 維新の反知性主義はよく指摘されることだが、これはそれ以前の、小学生レベルの国語力の問題だろう。こんな初歩的なミスがまかり通ったまま、府県間の往来自粛などという都市封鎖にも準ずるようなシビアな政策を取るというのは許されない。こんなことで、大阪府も大阪市もまともなコロナ対策が取れているのだろうか。

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