しかも、気になるのは金額に安さだけではない。政府はこの支給対象を「個人で仕事をしており、発注者との業務委託契約などに基づいて報酬が払われている労働者」としており、契約書や契約先からの証明書がないフリーランスは、仕事を休んでももらえない可能性がある。しかし、フリーランスで弱い立場の労働者が契約先に証明書を求めることができるのか。そう考えると、この「4100円」すら、安倍政権の“やってる感”演出にすぎないのではないか。
いずれにしても、規制緩和や働き方改革などで、さんざん「雇用によらない新しい働き方」を煽ってきた安倍政権だが、このフリーランスへのぞんざいな扱い、セーフティネットの欠如をみていると、結局、なんの補償をする必要もないフリーランスや個人事業主を最低賃金で使える社会をつくろうとしているだけ、ということだろう。
だが、諦めてはいけない。新型コロナでわたしたちが学んだことは、国民が政権に対して声を上げることによって、支援策や改善策を引き出せるということだ。休校措置における補償でも当初、安倍首相は「有給をとれ」と言っていたが、国民の批判を浴びて「正規・非正規の被用者への助成金」「個人事業主とフリーランスへの補償」と、少しずつではあるが、支援を広げている。こんなひどい政権だからこそ、これからも、怯まず諦めず声を上げていく必要がある。
(編集部)
最終更新:2020.03.12 12:49