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安倍首相は国会で「専門家の意見を聞いてない」、加藤厚労相は小中高生の感染者数を答えられず…休校要請はやっぱりパフォーマンス

首相官邸HPより


 やはり一斉休校要請は安倍首相の「やってる感」をアピールするためのパフォーマンスだった──。本日おこなわれた参院予算委員会で、休校要請の決定について安倍首相が「直接、専門家の意見を伺ったものではない」と認めたからだ。

 すでに、専門家会議の岡部信彦委員からは「専門家会議で議論した方針ではなく、感染症対策として適切かどうか一切相談なく、政治判断として決められたものだ。判断の理由を国民に説明すべきだ」と厳しい批判が出ていた。しかし、安倍首相は29日におこなった会見で「専門家のみなさんの意見を踏まえれば、いまからの2週間程度、国内の感染拡大を防止するため、あらゆる手を尽くすべきである、そのように判断いたしました」と説明。あたかも提言を踏まえての決断であるかのように語ったが、やはり何の相談もなく、勝手に決定してしまっていたのだ。

 実のところ安倍政権は子どもの感染拡大に重大な関心などまったく寄せていない。というのも、きょうの国会では、立憲民主党の斎藤嘉隆参院議員がこれまで国内で小中高生の感染者は何人なのかを問うたが、こんな基本の質問にも加藤勝信厚労相は即座に答えられず、質疑が中断してしまったからだ。

 しかも、ここにきて中国ではWHOなどの専門家チームがおこなった調査報告書が公表され、そこでは19歳未満の感染者は全体の2.4%で重症化するケースもわずかな上、聞き取り結果では〈子どもから大人に感染したと話す人はいなかった〉(NHKニュース2月29日付)であることが判明。日本小児科学会も「子どもの患者のほとんどは家庭内で親から感染している」と指摘している。

 ようするに、一斉休校するよりも、死亡率の高い高齢者や保護者の感染を拡大させない措置を講ずることのほうが重要であることが調査結果からも裏付けられてしまったのだが、安倍首相は「子どもたちへの感染事例が発生しているのは事実」「高齢者の対策にも万全を期している」と正当化に必死になり、立憲民主党の蓮舫議員が政府の基本方針における高齢者対策が手薄であることを指摘している最中には「(子どもと違い)高齢者は歩かない」とヤジまで飛ぶ始末。このヤジを発したのは自民党の松川るい議員だった。

 専門家に相談もせず、その結果、一斉休校の明確な根拠も示せない安倍首相。しかも、驚いたことに、肝心の専門家会議では議事録が取られていないことまで発覚。専門家会議はこれまで計3回開催されているが、速記が入ったのは第2回の1回だけ。当然、「議事録を残すべきだ」と立憲民主党の蓮舫議員が追及したが、公文書管理が担当である北村誠吾地方創生相は答弁に窮し、官僚から手書きメモを受け取って読み上げる始末だった。

「リーダーシップを見せたい」という個人的欲望だけで根拠もなく一斉休校を独断専行で決定する総理大臣に、基本的な質問にも答えられない加藤厚労相や北村地方創生相……。つまり、この「瀬戸際」に政権が体を成していないことが、きょうの国会で完全にバレてしまった。これでもまだ、安倍政権を支持するメディアや評論家がいるのだろうか。もしいたら、それは狂っているか、裏で美味しい餌を与えてもらっているか、どっちかだろう。

最終更新:2020.03.02 10:44

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