ところが、これだけ話がでそろっているなかで、田崎氏は堂々と立候補は案里氏が勝手に言い出したかのような主張を繰り広げたのだ。
この回答に恵も驚いたらしく「どっちかって言うと、河井陣営から言い出したことなんですか?」と聞き返す。
すると、田崎はさすがにまずいと思ったのか、「どちらが先かははっきりしませんけれども、阿吽の呼吸で、案里さんが国政に出ようとしていた」などと、ごまかしたのだ。
自民党広島県連も反対していたこんな強引な擁立を「阿吽の呼吸」って……語るに落ちたとはこのことだろう。
だが、田崎氏のこの発言で、安倍首相や官邸がいま、どういう方向に世論を持っていこうと考えているかはよくわかった。ここまで不正の証拠が出てきた以上、もはや河井前法相や案里議員のことを切り捨てるしかない。すべての責任は2人に押し付け、自分たちは「知らぬ存ぜぬ」と逃亡を決め込む腹なのだろう。
そういえば、このやりとしの少し後、恵から「(安倍首相が案里氏を)守りたいという気持ちはどうなんですか?」と問われた田崎氏は、お得意のイタコ状態でこう語った。
「強く守りたい気持ちはないですよ。それは。積極的ではないけれど、切ることもできないという、非常に微妙なところで。本人が止めたいのならどうぞということでしょう」
やりたい放題の不正と私物化のあげく問題化したとたんに平気で逃げ出す無責任首相と、その意向を受けて、むちゃくちゃな論理のエクストリーム擁護を垂れ流す御用ジャーナリスト。まったく愚劣なコンビというしかない。
(編集部)
最終更新:2020.01.25 07:24