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「桜を見る会」名簿めぐり安倍政権がまた違法行為! 今度は省庁提出の推薦者名簿を“改ざん”、首相枠を意味する記載を白塗り加工

首相官邸HPより


 カジノ汚職での秋元司議員の再逮捕に、公選法違反疑惑の河井案里参院議員・河井克行前法相の事務所への家宅捜索──。安倍政権の膿がくっきりと浮き彫りになる最中、「桜を見る会」をめぐっても深刻な事実が判明した。森友決裁文書改ざんという国家的大犯罪を引き起こしたというのに、なんと、またしても公文書を加工・改ざんしていたのだ。

 安倍内閣が改ざんしていたことがわかった公文書は、2019年の「桜を見る会」について各省庁など23機関が保管していた約4000人分の推薦者名簿。周知のように、「桜を見る会」の「首相枠」や「与党枠」など政治絡みの推薦者名簿は、内閣府・内閣官房がすでに廃棄したと説明している。だが、それとは別に各省庁ごとに作成した推薦者名簿については、多くの省庁が保存期間1年以上としていたため残っており、昨年11月22日に参院予算委員会の理事懇談会に提出された。

 今回、この国会に提出された省庁の推薦者名簿に改ざんが見つかったのだ。1名の推薦された者について、「推薦部局」の項目に「首相枠」を意味する「閣総」という記載があったのに、白く加工して消していたのだという。東京新聞が情報公開請求によってこの事実を掴み、11日付でスクープした。

 もう少し詳しく解説しよう。まず、国会に提出された該当箇所は、推薦者の「受付票番号」や「氏」「名」、「役職名1」などの欄は黒塗りの加工が施されていたが、「推薦部局」は白の空欄になっていた。これを普通に見れば、黒塗りは情報が隠された部分で、白の空欄部分はもとから何も記載されていないものだと認識する。

 つまり、「白塗り」することで、情報を隠していることさえわからないように加工して名簿を国会に提出していたのである。これは情報の隠蔽などではない、完全に「改ざん」だ。

 しかも、もとの文書では、「閣総」「内閣官房内閣総務官室総理大臣官邸事務所」と記載されていた。「閣総」とは「内閣官房内閣総務官室」を示し、「総理大臣官邸事務所」は閣総の一部局だ。ようするに、この1名はすでに名簿が廃棄された「首相枠」で推薦された可能性もある人物だった。その事実を、白塗りで「改ざん」し、隠そうとしたのだ。

 いったいなぜ、名簿の改ざんをしてまでこの事実を隠そうとしたのか。よほど「首相枠」だとバレてはまずい「ヤバい」人物なのか。それとも、廃棄したと言い張っている「首相枠」の名簿が、実際にはまだ残っていることがバレるのを恐れたのか。

 もうひとつ指摘されているのが、菅義偉官房長官および内閣官房の国会答弁との関係だ。菅房長官はこの名簿が国会に提出される5日前の昨年11月27日におこなわれた参院本会議で、「内閣総務官室」が取りまとめた名簿は廃棄されたと答弁。同様に2日前の衆院内閣委員会でも内閣官房の大西証史審議官が「(内閣総務官室の推薦リストは)残っていない」と答弁していた。ようするに、これらの答弁と整合性をとるために名簿を「改ざん」した可能性があるのだ。

 内閣府は、この改ざんされた1名について、官邸事務所の依頼を受けて内閣府人事課の枠で推薦したとし、「官邸事務所の推薦枠だと誤解を受けかねないと判断して、国会提出資料を用意する際に白く塗りつぶした」(毎日新聞15日付)などと釈明しているが、それが本当だったとしたら国会提出時に「最終的には人事課枠になった」と説明すればいいだけの話。それをせず、名簿を改ざんまでして事実を隠そうとしたということは、やはり不都合な事実があるのではないか──。

 しかも、今回はたまたま東京新聞が情報公開請求をしたことで「白く消した」ことがわかったが、こうした加工は気づかれていないだけで、他にも山ほどある可能性がある。

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