もっとも、高浜原発をめぐる闇や関西電力の不正がいくらとんでもないものだったとしても、これ以上の解明は進まず、関西電力の新たな公表だけで収束してしまうのではないか。理由の一つは、検察が捜査に動く可能性が低いことだ。福島原発事故をめぐって東京電力幹部を不起訴(その後、検察審査会で強制起訴)にしたことからもわかるように、検察は電力業界と天下りなどで癒着しており、電力会社に触りたがらない。今回も、すでに検察は予防線を張るようにマスコミに「背任での立証は難しい」などの見方をリークしている。
さらにもう一つは、電力会社の広告漬けになったマスコミの問題だ。
「特に3・11以降は東京電力にかわって関西電力が電力業界の盟主になっていますからね。関西のメディアはもちろん、電事連も関電が牛耳っているため、東京のメディアにも影響力を強めている。今回、国税のお墨付きがあるまで報道できなかったのもその表れ。今は、国税局が動き、関電が認めたということで、さすがにテレビも報道しているが、通り一遍の報道だけ。疑惑を深掘りしたり、新たな不正を追及できるとはとても思えない」(民放報道局記者)
電力会社、原発でこんなとんでもない不正が平気で行われてきたのも、検察やマスコミと電力会社の間に共犯者的な関係性があったからだ。この国は根っこから腐っているのである。
(編集部)
最終更新:2019.09.30 01:09