そもそも東国原は、バラエティ番組などでセクハラ発言や女性を性の道具として扱うようなミソジニー発言を連発してきた女性蔑視思想の持ち主だ。
今年、東京大学の入学式で上野千鶴子がおこなったスピーチにも噛みついていた。政治家の女性比率が低いことについて「面倒くさいことが嫌だとか、子育てできない結婚もできないという理由で諦められるという方がいらっしゃるのも事実」などと無根拠な決めつけで批判。挙げ句、ジェンダー・ギャップ指数が149カ国中で日本が110位となっていることについても、「家庭内を考えたら、圧倒的に女性が権力もってます。女性のほうが、奥さんのほうが権力もってるんですよ。そこは数値化できないんですよ。ジェンダーギャップ指数、そこの数字も入れたら、日本って女性が上になると思いますよ」などと、女性差別主義者がよく口にする“女尊男卑論”を展開していた。
つまり、東国原が今回、金慶珠教授を異常なトーンで罵倒したのは、「韓国人コメンテーターを叩けばウケる」という計算に加え、その女性蔑視思想が発言をエスカレートさせた側面もあるのではないか。だからこそ、東国原の発言はレイシストやミソジニストの加虐欲、支配欲を満足させ、喝采を浴びたのだ。
いずれにしても、東国原の発言自体が悪質な韓国ヘイト、女性差別であることは間違いない。しかし、東国原はそれでも説明や謝罪の責任を問われることもなく、その後もテレビに出演しつづけている。むしろ『バイキング』などではお笑いのネタにしている有様だ。
そして問題の『ゴゴスマ』も前述したように、東国原の発言については不問に付し、今日も出演させることが濃厚だ。この倫理観の欠如は一体なんなのか。
いや、東国原だけではない。武田発言に対しても、『ゴゴスマ』は「ヘイトスピーチをしてはいけないこと、ましてや犯罪を助長する発言は人として許せないことと考えています」「ヘイトや犯罪の助長を容認することはできません。番組をご覧になって不快な思いをされた方々にお詫びいたします」と述べただけ。発言者や発言内容についてふれることがなかった。何がどのように問題で、さらには生放送中にどうしてすぐに訂正できなかったのか、今後どう再発防止するのかなど具体策はまったくなかった。ようするに、『ゴゴスマ』は反省などまったくしていないのだ。
玉川徹も指摘していたように、この間、ワイドショーのコメンテーターたちが競うように嫌韓発言、韓国ヘイトを口にしているのは、番組が煽っている部分が相当にある。「日本男子も韓国女性が入ってきたら暴行しなけりゃいかん」発言の武田教授も、YouTubeで「(番組から)ひとつバトルをしてくれと言うんで」などと話していた。
おそらくテレビ局、番組がこういう姿勢なのだから、これからも武田教授や東国原と同じような韓国ヘイトが垂れ流され続けるだろう。これを止めるためには、良識ある市民やメディアが一つ一つにしつこく抗議の声をあげ続けるしかない。
(編集部)
最終更新:2019.09.05 10:59