無論、この東国原の言動にネット上では激しい批判が集まったのだが、しかし、東国原はTwitterで、こんな唖然とするような言い訳を述べた。
〈生放送のディベートは出来る限り発言時間や発言機会が平等・公平であるべきだと思います。例えば、相手が1分くらい発言したら、自分もそれくらいに抑えようとか、常識的に判断すべきだと思います。金慶珠氏はその常識的感覚が決定的に欠落しています。〉
〈僕は金慶珠氏の発言内容に怒ったのでは無く、公平な発言時間(発言機会)を守らないので怒ったのです。議論は自由です。しかしそこには一定の常識的ルールやマナーが必要だと思います。過去にも注意した事があるのですが、全く聞き入れられていません。〉
もっともらしく「ディベートのマナー」などと言っているが、金教授はこの日、東国原のような番組曜日レギュラーではなく、日韓問題の専門家として解説するために出演しており、ディベートはしていない。実際、金教授は司会者のフリに対して見解を述べていただけで、前述したようにほかのコメンテーターの発言を遮ることもなかった。だいたい、東国原がキレるまで、二人が喋っていた時間は多少、金教授が長いくらいで、ほとんど大差はなかった。
金教授自身、『サンデー・ジャポン』(TBS)で「いまだに(東国原が)なんであれだけ切れたのわからない」と首をひねっていたが、この日の金教授には怒鳴られる理由なんてまったくなかったのだ。
実際、東国原が持ち出した「ディベートのマナー」とやらが、たんなる言い訳にすぎなかったことは、すぐに判明した。
というのも、東国原は金教授への“公開ヘイト攻撃”の翌日30日深夜(31日未明)に『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日)に出演したのだが、「ディベートのマナー」など無きに等しいあの場で、「黙っとけ!」とか「喋りすぎだよ、お前!」などとあんなトーンで激昂するような場面は見られなかったからだ。
ようするに、東国原は『朝生』の論客たちは「ディベートのマナー違反」を犯していてもスルーし、「マナー違反」などまったくしていない金教授には「黙れ」と常軌を逸した口調で罵倒したのだ。
一体なぜか。それは「僕が! 日本ですよ」「ビジネス反日」などといったセリフからも明らかなように、金教授が韓国人だからだろう。しかも、あの理由のない突然のキレ方は、最初から金教授を狙い撃ちしたとしか思えない。ようするに、東国原は、韓国人である金教授を怒鳴りつければ視聴者に受けると踏んで、確信犯として金教授を罵倒したのではないか。現に、『ゴゴスマ』放送後のツイートでは、東国原はこうも投稿している。
〈彼女は、流石に、本番で僕が本気でキレるとは思っていなかったみたいで、本番が終わってから、(編集部注:番組共演者の)JOY君が、「金さん、鬼凹んでましたよ」と言っていた。少しは応えたかなとは思うけど。〉