繰り返すが、感情を爆発させて「黙っとけ!」「嫌いだよ!」と吐き捨てるだけでなく、「反日」という言葉を使って韓国人女性コメンテーターを攻撃することを正当化した東国原の言動はヘイト煽動だ。しかも「韓国人女性」を攻撃すればウケると計算していた節すらある。これは視聴者に「反日ならばこれくらい攻撃されて当然だ」などと認識させる、大変な問題だ。
だが、きょうの放送では、石井アナや他のコメンテーターは笑ってやりすごそうとするだけで、この東国原のヘイト煽動する言動を諌める者はなし。それどころか、「GSOMIA破棄しますから、僕のほうから!」と東国原が言い放ったあとには、スタジオにいるスタッフが過剰に「わははははは!」という笑い声をあげていた。笑いでお茶を濁そうとしたのは明白だ。
昨日には武田教授によるヘイトクライム煽動発言が飛び出したばかりだというのに、『ゴゴスマ』。きょうも東国原が、韓国人コメンテーターに向かって「反日」であるという決めつけに基づいて攻撃することを正当化するという、とんでもない内容を放送する──。東国原の金教授に対するヘイトとパワハラの実況中継は、見ているだけでもしんどいほど常軌を逸したものだった。
いまの日本の嫌韓感情の爆発は、すべて安倍政権が完全にタガが外れた状態で嫌韓を煽っていることにあるが、久米宏が苦言を呈したように、本来、テレビの報道に必要なのは「国民がやや暴走するようなときにそれを抑える」こと、「世論をなだめる」ことだ。それが、揃いも揃ってワイドショーは韓国叩きに精を出して視聴者の劣情を煽るだけ。挙げ句、『ゴゴスマ』はヘイトクライムや一方的なヘイト正当化を煽った発言を垂れ流しているのである。
『ゴゴスマ』の制作陣およびCBCテレビ、ならびにTBSは、世論が嫌韓一色だから批判を無視しても大丈夫だと踏んでいるのだろう。だが、やっていることは、ルワンダ大虐殺を煽動した「千の丘ラジオ」と本質的に同じだ。こんな放送を反省もなくつづけていい訳がない。
31日の13時からは、CBC名古屋本社と東京支社の前で、市民による同時抗議が予定されている。テレビ局がしっかり放送内容を反省しなければ、今後、戦前戦中さながらの、引き返せない恐ろしい事態が待っているだろう。CBCテレビはもちろんのこと、すべてのテレビ局は自分たちがやっていることがいかに恥さらしで、いかに危険な行為なのか、猛省すべきだ。
(編集部)
最終更新:2019.08.30 01:43