小説、マンガ、ビジネス、週刊誌…本と雑誌のニュース/リテラ

安倍首相が三谷幸喜監督の映画試写会に登場し対談、政治風刺も手がける三谷監督がなぜ?“アベ友”中井貴一が仕掛人か

 実際、今回の試写会出席も、今月2日に代官山の高級イタリアン「リストランテASO」で中井貴一をはじめ、奥田瑛二や笹野高史と会食した際、この映画の話題となり、安倍首相が鑑賞を希望したことがきっかけだったという。

 中井といえば、安倍首相とは成蹊大学の同窓で、熱烈な安倍応援団だった津川雅彦とともに安倍首相と会食を繰り返してきた、津川亡きいまは芸能界きっての“アベ友”。つまり、自身の主演作を安倍首相のPRにまんまと差し出したというわけだ。

 憲法改正を全面に押し出す安倍首相と、そのための好感度アップの活動に手を貸す俳優──。恐れていたことが着々と進行していると言わざるを得ないが、今回、もっともガッカリさせられたのは、そこに三谷幸喜までもが乗っかったことだろう。

 三谷は、低支持率の内閣の立て直しに田村正和演じる首相が奮闘するコメディドラマ『総理と呼ばないで』(フジテレビ/1997年放送)の脚本など、これまでも政治コメディ作品を手掛けてきた。なかでも、1992年初演の舞台『その場しのぎの男たち』では1891年に起こった大津事件をめぐる明治政府の要人たちの「その場しのぎの」利己的なふるまいを描き、初演・再演時には「現政権を思わせるリアリティがある」と評されたこともある。

 実際、今回の『記憶にございません!』にも、安倍首相と重なるシーンはある。たとえば、中井演じる総理は、市民に向かって「このクソ野郎が!」と叫び、その際に市民に投げ込まれた石に頭をぶつけて記憶喪失になる。──このシーンで想起するのは、2017年の東京都議選の街頭演説で、「辞めろ」コールが起こるなかで安倍首相が「こんな人たちに負けるわけにはいかない!」と市民に言い返し、指差したあの場面だろう。

 しかも、安倍首相との懇談の場でも、三谷監督はこんなふうに語ったという。

〈映画での記憶喪失の原因は、消費税増税などに怒った国民が投げた石に頭を直撃されたため。そんな設定を意識してか三谷氏は「安倍首相に見てほしかった」(と話した)〉(前出・サンケイスポーツ)

関連記事

編集部おすすめ

話題の記事

人気記事ランキング

話題のキーワード

リテラをフォローする

フォローすると、タイムラインで
リテラの最新記事が確認できます。