考えれば考えるほど、日本の国益を損なうばかげた政策であることがよくわかるだろう。いったい安倍政権はなぜ、こんな愚かな決定をしてしまったのか。
日本政府は今回の輸出規制強化について表向きは「対抗措置ではない」とし、「安全保障を目的とした輸出管理制度の適切な運営に必要な見直し」(西村稔彦官房副長官)、「韓国の輸出管理をめぐる不適切な事案が発生した」(世耕弘成経産相)と、他の理由をチラつかせている。
しかし、具体的な理由はまったく説明しておらず、一方で「友好協力関係に反する韓国側の否定的な動きが相次いだ」(菅義偉官房長官)と公言しているように、徴用工問題への感情的な報復であることは明らかだ。
徴用工問題が起きて以降、安倍首相の周辺にいるような極右自民党議員や安倍応援団の極右論客たちが「日本人の韓国渡航を制限すべき」「韓国人の就労ビザを制限しろ」「駐韓大使を帰国させろ」などといった報復を連呼してきた。しかし、まさか政府までが“頭の悪い嫌韓ネトウヨ”のような行動に出るとは……。
「政府内には経済への悪影響を考えて、反対意見もあったようですが、安倍首相が押し切ったようです。安倍首相自身がもともと徴用工問題に感情的になっていたうえ、参院選前ということで、韓国への強硬姿勢を見せることで、自分の支持基盤である嫌韓右派の人気取りをしようとしたのでしょう。それと、中国のファーウェイを同じ『安全保障上の理由』で排除してディールに持ち込んだトランプ大統領を意識した部分もあるはず。とにかく、安倍首相は強硬で、一時は禁輸まで主張していたという情報もあります。それはさすがに法律上できないので、包括許可の優遇措置をやめるというところに落ち着いたというわけです」(全国紙政治部デスク)
実際、安倍首相は、対韓規制強化についても「事実上の禁輸」と書くなどPRを一番熱心に行っている御用新聞・読売新聞のインタビューで、この問題に言及。なんと「国と国との信頼関係の上に行ってきた措置を見直したということだ」と、報復が理由であることを自ら示唆していた。
ようするに、安倍首相の“ネトウヨ脳”“トランプ気取り”のせいで、政府の経済政策までがネトウヨ化してしまったということらしい。