一方、こうした声が水面下で広がり始めたことで、焦った吉本は打ち消しに必死になっている。6月26日付のスポーツニッポンが、「聴取前にノーギャラの打ち合わせ、入江中心に参加芸人 届かなかったコンプライアンス強化」というタイトルで、〈問題視された闇営業の実態解明に吉本興業が取り組む中、仲介役だったカラテカの入江慎也(42)を中心に、参加した芸人間で金銭の授受に関して、事前に打ち合わせをして事情聴取に臨んでいたとみられることが25日、分かった〉などと報じたのだ。
しかし、考えてみればすぐにわかるが、あの騒動のなかで、闇営業が報道された芸人11人全員が一堂に会するなんて不可能だし、電話やSNSでこんな人数の芸人同士が意思統一できるとも思えない。しかもスポニチは「計4度の事情聴取」でようやく口を開き始めたなどと書いているが、そもそも、吉本が追加の事情聴取を始めたのは、「注意処分」の発表が批判を浴びた後の話だ。
しかも、記事は、一方で、〈吉本は2009年に株式を非上場にした時から反社会勢力との断絶などコンプライアンスの向上に積極的に取り組んできた〉として、今回も〈芸人仲間ら100人近くを対象に、約1カ月をかけて徹底的に調査した〉〈参加した芸人には計4度の事情聴取を敢行〉などと、吉本がいかに疑惑解明に取り組んできたかを強調しており、吉本がスポニチに書かせたのは、誰の目にも明らかだ。
「御用マスコミのスポーツ紙はどこも吉本の意を受けていますが、なかでもスポニチは露骨で、27日には入江が“闇営業ギャラをほぼ独り占め”と書いて、宮迫らを擁護する記事を書いていました」(週刊誌記者)
しかも、スポニチ報道を受けて、26日のワイドショーは一斉に「入江を中心に口裏合わせをしていた」と大々的に報道し、吉本興業という会社の責任隠しをしている。
まったく自分たちの初動ミスを棚に上げ、御用メディアを使って芸人や入江にすべての責任をなすりつけるとは、やり方の汚さに唖然とするが、しかし、いくら否定しても、吉本の調査が大甘だったこと、その裏には「注意処分くらいで逃げ切りたい」という意志があったことは、隠しようがない。