こうした発言に対して、ミッツ・マングローブが、ある程度の年齢に達した子と親の距離感について「妙な情やしがらみ」をなくすべきではと提起しても、ヒロミと坂上は「なんかしたときには返ってくる」「日本の風潮として共同責任」「その風潮が悪いものでもない」と、日本の歪んだ家族観を無批判に正当化。
さらに、犯罪心理学者の出口保行氏が「家庭内で解決することは無理」「保健所のDV相談や精神科の専門医など第三者に助けを求めるべき」と解説しても、坂上は「自分で解決できないってなったとき、相談できます?」「人目に触れちゃってる仕事しているから、じゃあすぐ行けますか?ってなったら、やっぱ逡巡するっていうか考えますよ」と発言。その上、熊沢容疑者が送検時に顔を隠さなかった態度については「生きてらっしゃるんだけども切腹同然というか」と語ったのだ。
普段『バイキング』で坂上は被害者のいない薬物事案を重大犯罪のように扱うのに、この殺人事件では容疑者を“覚悟が感じられる”などとヒーロー扱い──。
その上、坂上は「ひきこもりにさせないために家庭内教育とか幼児教育の大切さを子どももいないのに感じているんだけど」と、やはり家庭の問題に押し付けた挙げ句、「こないだ、なんだっけ? 親が子どもを体罰しちゃいけない法案みたいなのが」と、先日衆院を通過した児童虐待防止法改正案に言及。子どもへの虐待は「許せない」としつつも、「親がね、僕が親だったとしたら、たとえば自分が中学生のころ思ってもね、母親に『うるせえクソババア』とか言ってたんだよね。じゃあ僕いま52になって、僕の奥さんにね、ガキが『うるせえクソババア』って言ったら、そこでシメちゃうよ、やっぱり」と述べ、こう発言したのだった。
「それも思いなのかもしれないけど、それもなかなかやりづらくなってくるってなると、ほんとめんどくせえなって。めんどくせえって言っちゃいけないかもしれないけどね」
これだけ親の虐待が明らかになっているのに、「児童虐待防止法」を「めんどくせえ」って、坂上はいったいどういう神経をしているのか。
ようするに、彼らの頭のなかにあるのは、子どもの人格を無視した「親は子どもの所有物」という極めて前時代的な価値観なのである。