たしかに、東京オリンピックを筆頭に、安倍首相は使えるものはなんでも私物化・政治利用してきた。だが、さすがに今回のやり方は露骨すぎて、正直、言葉を失わざるを得ない。
しかし、新元号を事前に知っていたと疑われたのは、岩田記者だけではない。岩田記者とならんで「安倍首相に近いジャーナリスト」のひとりであり、「スシロー」の愛称で知られる田崎史郎氏も同様だ。
田崎氏は昨日、新元号が発表される前に放送された『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)に出演したのだが、元財務省官僚の山口真由氏が「これって内々に決まっているものなんですか? 平成のときはあきらかに平成に向かって誘導があったっていう話があるじゃないですか」「(今回も)これは本命っていうものがあるものなんですか?」と質問。すると、田崎氏はこう答えたのだ。
「おそらく総理の頭のなかでは『これにしたい』ってことはあるんだと思いますよ」
どの新元号がいいのか、安倍首相は決めている──。これは重大発言だが、さらに田崎氏は、番組後半でこんなことまで言い出したのだ。
「最後はやっぱり誘導に近いものになると思うんですけども、途中まではやっぱり、しっかりみなさんの意見を聞くということ」
この田崎氏の発言に、スタジオは「やっぱり誘導なんだ!」とざわついたが、一方の田崎氏はニコニコ顔。ようするに、田崎氏もまた新元号がすでにもう決まっていることを知っているかのような余裕の態度を見せつけたのだ。
しかも、こうした田崎氏の解説に対しては、テレ朝コメンテーターの玉川徹氏は「田崎さん、ホントは(新元号を)聞いてるんじゃないの?」「ご飯とか食べながら、安倍総理から聞いてるんじゃないですか?」とツッコミを入れ、羽鳥慎一キャスターも「昨日の時点で(新元号を)知っているのは5人です。田崎さん入れて6人」などとからかい、石原良純までもが「田崎さん、(新元号を)ポロッと言っちゃったら、それ使えなくなるでしょ?」と言及したのだが、田崎氏は「全然聞いてないですよ」と否定しつつ、やはりニヤニヤと笑いを浮かべていたのだった。