アパホテルプライド国会議事堂前のロビー。バノンもシャンデリア見た?
もっとも、アパホテルプライドのオープンは、安倍首相や自民党がお墨付きを与えていた可能性もある。
というのも、今月、トランプ政権で大統領首席戦略官を務めたスティーブ・バノンが来日、自民党本部で講演を行い、「安倍首相は偉大なヒーロー」と絶賛したが、このバノン来日じたいが、アパホテルプライドのプロモーションと連動していたフシがあるからだ。
実際、バノンは自民党の講演会の後、元谷代表と「Apple Town」用の対談を収録、アパグループ東京本社での特別講演会を行い、アパホテルプライドを視察していた。
しかも、アパ本社でのバノン講演会の司会を担当し、アパプライドの視察に同行したのは、安倍首相の右腕のひとりである河井克行・党総裁外交特別補佐だったのだ。
もともと、元谷代表は「安倍首相のビッグサポーター」といわれるほど、安倍首相と近い。かつては安倍氏の秘密後援会「安晋会」の副会長を務め、安倍氏が首相として再登板した第二次政権ではサポートを大々的に公言して実行。2017年の総選挙では、元谷代表が名誉会長を務める「アパ・コーポレートクラブ」が、稲田朋美防衛相(当時)や下村博文・元文科相といった安倍側近議員をはじめとする改憲派候補者を「『誇れる国、日本』の再興のために活躍して頂ける政治家」として推薦し、応援を呼びかける文書を取引先である大手企業に送るといった露骨な活動も展開していた。
そう考えると、アパの新ホテル「アパホテルプライド」は、元谷代表が安倍首相の意向を代弁するかたちで、歴史修正主義と改憲路線を世界に発信するために、確信犯的につくった施設の可能性もある。
「プライド」というのは、歴史修正主義者たちが「自虐史観」と対比させる形で好んで使う言葉だ。官邸裏に屹立するアパホテルプライドは、安倍政権と極右歴史修正主義との爛れた関係を象徴しているといっていいだろう。
(編集部)
最終更新:2019.03.24 04:09