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新聞労連・南彰委員長が語る“望月記者排除”の構造(前編)

菅官房長官の質問拒否だけじゃない、官邸の“望月記者ハラスメント”の実態! 不倫デマまで流して記者を分断

──そうした官邸記者クラブの黙認姿勢というか腰の引けた感じがあるために、社会でも官邸に対して「こんなことを許していていいの?」という空気が生まれない原因になっている気がします。しかも、申し入れにあった望月記者の質問に「事実誤認」があったというのは虚偽の主張であるにもかかわらず(詳しくは既報を参照https://lite-ra.com/2019/02/post-4548.html)、ネット上ではそれが望月記者の排除を正当化する材料にされています。

南 たしかに、官邸はいま、いろんな情報を流しています。たとえば、今回、新聞労連が声明を出しましたよね。そのことについて、じつは官邸のスタッフが、記者に対して“望月さんと僕が不倫関係にあるから声明を出したんだ”と説明しているようなんです。「あいつらはそういう関係なんだ」と。

──えっ? それ、ほんとうなんですか?

南 不倫関係になんてあるわけがないじゃないですか。まったく根も葉もない、事実無根です。

──いやいや、そうではなくて、官邸側がそういう情報を流しているんですか?

南 政治部の記者のメモになって流れているんですよ。情報戦は多かれ少なかれ永田町界隈ではある話ですけど、まさかこんな話をでっち上げるとは……。記者には「そういう人たちにあなたは関わるの?」と揺さぶりをかけ、一方でこうしたフェイクニュースがネットで流れはじめ、バッシングが加速するという図式ですよね。

──前川喜平・元文科事務次官の“出会い系バー通い”報道にも「官邸はここまでやるのか」と仰天しましたが、あまりにもゲスすぎる……。

南 そのうち、この不倫の話もネットで流れるかもしれませんが、先に断言しておきます。それは官邸発のフェイクニュース、誹謗中傷です。
(つづく)
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 記者の活動に圧力をかけるために、でっち上げのフェイクニュースまで流す──。まったく恐ろしい話だが、南委員長は「記者の質問が妨害されたり、制限が加えられるような状態は、いままでになかったこと」だという。一体、安倍政権はどのようにして官邸記者会見を変えていったのか。インタビュー後編では、その問題にスポットを当てたい。

(取材・構成/編集部)

【プロフィール】
南彰●1979年生まれ。2002年、朝日新聞社に入社。2008年から東京政治部、大阪社会部で政治取材を担当。2018年9月より新聞労連に出向、中央執行委員長を務める。共著に『安倍政治100のファクトチェック』(南彰、望月衣塑子/集英社新書)、『ルポ・橋下徹』(朝日新聞大阪社会部/朝日新書)がある。

最終更新:2019.03.01 01:09

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