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横田一「ニッポン抑圧と腐敗の現場」50

辺野古土砂投入強行で追い込まれるのは安倍政権のほうだ! 広がる反対の声、軟弱地盤問題…新基地建設は不可能

「14日の土砂投入から1週間以上経ちましたが、日曜日を除いて毎日、埋め立て工事は続いています。運搬船の土砂を陸揚げした後、ダンプカーに積み替え、護岸に囲まれた埋め立てエリアに投入する作業を繰り返しているのです。ただし土砂投入が始まったのは全埋立面積の4%にすぎず、しかも新基地予定地南側の『辺野古側』。軟弱地盤が見つかった北東側の『大浦湾側』は手つかず状態なのです」

 こう話すのは、軟弱地盤問題を名護市議会で追及してきた東恩納琢磨市議(「じゅごんの里」代表)。大浦湾に生息する貴重なサンゴ群落を紹介する環境保護活動も長年続け、オリバー・ストーン監督を船で案内したときには地元紙に報道されたが、そんな東恩納氏が注目するのは、ホワイトハウスへの辺野古埋め立て停止要請が短期間で10万筆を超え、増え続けていることだ。

「ローラさんやりゅうちぇるさんをはじめ署名をした人たちに是非、サンゴ群落を見て回るグラスボートに乗って欲しい。大浦湾側で埋め立て工事が本格化し、いままでに例のない大規模な地盤改良工事が始まってしまうと、貴重なサンゴ群落が死滅するのは間違いないからです」

 安倍政権(首相)が沖縄の民意を無視して土砂投入に踏み切ったことで、辺野古新基地阻止を掲げる玉城デニー知事との倒すか倒されるのかのガチンコ勝負が始まった。翌15日付の朝日新聞は「辺野古、土砂投入を強行 政府の基地建設、後戻り困難に」と銘打った記事を出したが、こうした見方に対して玉城知事は「土砂投入が『もう後戻りできない』という状況になるとは決して思っていない」と反論する一方、「『辺野古が唯一』と言っている限り、デッドロック(行き詰まり状態)になる」という警告も何度も発してきていた。「後戻り困難」と報じられると、「引き返すことが難しい段階まで来た」という印象を受けるが、実際は「立往生必至の見切り発車」が正確だろう。
琉球新報の普久原均編集局長は「追い込まれていくのは安倍政権(首相)のほう」と見ていたのだ。

「今回、土砂投入が開始した埋め立てエリアの面積は全体の4%にすぎません。しかも工事が比較的容易な『辺野古側』から埋め立てを始めた。もう片方の『大浦湾側』は、マヨネーズにもたとえられるほどの軟弱地盤で大規模な地盤改良(強化)を行うことが不可欠で、知事が承認する設計変更が必要ですが、玉城知事は認めない考えです。途中で工事が行き詰ることは目に見えているのです。難工事でない地区から土砂投入を始めて県民の諦めを誘い、4年後の県知事選で設計変更を認める知事を誕生させるというのが前提。玉城知事も県民も諦めずに闘い続ければ、逆に追い込まれていくのは安倍政権のほうなのです」

 新基地建設予定地は米軍基地「キャンプ・シュワブ」が位置する岬を挟んで南側の「辺野古側」と北東側の「大浦湾側」にまたがり、両方を埋め立てないとV字型滑走路は完成しない。しかし大浦湾側で、マヨネーズとたとえられる軟弱地盤が見つかった。埋め立てには「ケーソン」と呼ばれるコンクリートの大きな箱を置いていき、その上に滑走路を造ることになるが、軟弱地盤の上には置くことができない。そのため、厚さ40メートルにも及ぶ軟弱地盤層を入れ替えて強固にする地盤改良工事なしには“欠陥基地”にしかならないのだ。当然、米軍の使用には耐えられないので代替施設として機能せず、工事ゴリ押しの安倍政権の錦の御旗である「普天間飛行場の危険除去」が実現することもない。普久原氏はこう続けた。

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