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マクロンと安倍の金持ち優遇はそっくりなのに国民の反応は真逆! デモで変えさせるフランス、「決まったこと」と従う日本

 実際、12日放送の『ひるおび!』(TBS)では、フィリップ・トルシエ元日本サッカー代表監督の通訳として一躍有名人となったスポーツキャスターのフローラン・ダバディ氏が出演。マクロン大統領について、こう解説した。

「日本と同じなんですよ。マクロンさんは安倍総理にすっごく似ているんですね。大企業の味方をしないといけないんですけども、でも、じつは国民に対しては(大企業と)仲良くしているっていうのは見せたくない。だから(カルロス・)ゴーンさんの問題も、あんまり公表していないんですね」

 このダバディ氏の話を司会の恵俊彰が「その話も今度じっくり聞きたいですね」と急いでまとめてしまったため、安倍首相や日本の政策との共通点について掘り下げられることはなかったのだが、フランス国民は安倍首相とそっくりの大統領の政策に、デモという当然の権利を行使して対抗しているのである。

 そして、それはすでに効果をあげている。デモの拡大に対し、マクロン大統領は今月4日に来年の燃料税増税の半年延期、そして5日には2019年の燃料税増税見送りを発表、さらに10日には「国民のみなさんのことを最優先にしてこなかったという印象を与えてきたかもしれない」「国民の深い怒りは正当なものだ」とテレビで演説し、来年から最低賃金を月額100ユーロ(約1万3000円)引き上げることや、残業代・今年末のボーナスの非課税実施、月額2000ユーロ(約26万円)未満の年金生活者への社会保障税増税撤回などの対策を打ち出した。

 しかし、これでもデモが沈静化するかはわからない状態で、現にフランスでおこなわれた世論調査では、デモの収束を望む人が54%である一方、運動に理解を示す人はいまなお64%にものぼっているという(朝日新聞12日付)。
 
 デモによって国民が大統領から譲歩を引き出しているフランス。かたや、日本はこのフランスデモを暴徒による建物の破壊や略奪行為などを取り上げるばかりで、「クリスマスシーズンなのにパリに行けない」「観光客がかわいそう」だの「デモは怖い」だのと、まるで他人事のように扱っている。そして、消費税増税についても根本的な増税の是非は問わず、「軽減税率がわかりにくい」という話題に終始。社会保障費の削減や法人税減税などの政策を踏み込んで批判することもない。

「決まったことは仕方がない」とハナから消費税増税を受け入れ、社会的弱者に対するいじめ政策には「自己責任」と突き放し、「デモはよくない」「フランスと日本はお国柄が違う」などといって怒りの声をあげることを牽制する。──安倍政権による新自由主義的価値観や強権政治が、こうやって国民を“去勢”していったことは間違いないが、これでは、この先も国民は安倍政権の食い物にされてゆくだけだろう。

最終更新:2018.12.14 12:24

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