しかも、志らくは批判された対象を「自民党の人」と話をずらしているが、この宴会が問題になっているのは、会を中止にしなかったことや自民党の人間が出席したことではない。政府の役職についていない党関係者だけでパーティをやっていたなら、ここまで批判を受けることはなかっただろう。そうではなく、安倍首相や小野寺五典防衛相など、災害対応の陣頭指揮をとるべき政府首脳がそれをほったらかして、宴会ではしゃいでいたから批判されているのだ。
実際、今回、政権を批判している人たちのなかで、「飲んだのが悪い!」とだけ感情的に怒っている人なんて、ほとんどいない。災害対応すべき政府の人間たちが、宴会優先で災害対応していなかったことを批判しているのだ。しかも安倍首相らは、この宴会の夜だけではなく、その後も66時間にわたって対策本部も設置せず、災害を放置していたのだ。
ところが、志らくはその辺を一切ねぐって、今回の批判を「飲んだのが悪い!」というセリフに矮小化しているのだ。これが政権擁護じゃなくて、なんだというのか。
しかも、志らくは、『ワイドナショー』で「擁護などしていない」と言いながら、さらなる安倍首相擁護まで上乗せしてきた。
「で、安倍総理なんか次の日は、二日酔いで出てきたって。安倍総理50分しか、この会合いないんですよ。あと対応に見舞われて、それでくたびれて出てきたのを、二日酔いだと。それは叩くやり方がおかしいだろうって、こう言ったんです」
本サイトは、安倍首相が宴会翌日にたった15分会議をしただけでさっさと私邸に帰ってのんびり過ごしていたことは批判したが、「二日酔いで出てきた」というのは書いていない。ネット上ではたしかに安倍首相の二日酔いを疑う声もあった。もちろん二日酔いだったかどうかは定かではないが、少なくとも志らくの主張する、安倍首相が宴会のあと「(災害)対応に見舞われて、それでくたびれて出てきた」というのは、真っ赤なウソだ。