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もはやヤバさしかない…青山繁晴、和田政宗の自民党ネトウヨタッグ“トンデモ質問”を苦笑しながら誌上再録

 しかし、恥知らずの和田議員はさらに、16日の参院予算委員会で太田理財局長が安倍首相の答弁の影響を否定しなかった件を露骨に問題視し、こんな陰謀論まで垂れ流し始めたのである。

「まさかとは思いますけども、太田理財局長は民主党政権時代の野田総理の秘書官も務めておりまして、増税派だから、アベノミクスをつぶすために、安倍政権を貶めるために、意図的に変な答弁をしているんじゃないですか?」

 これにはいつも冷静な調子で答弁している太田理財局長も、さすがに血相を変えて反論。首を横に大きく振りながらこう吐き捨てるように語気を強めた。

「いや、お答えを申し上げます。あの、私は、公務員としてお仕えした方に一生懸命お仕えするのが仕事なんで。それをやられるとさすがに、いくらなんでも、そんなつもりはまったくありません! それはいくらなんでも……それはいくらなんでも、ご容赦ください!」

 このとき、太田理財局長の心中には確実に「頭が沸いてるんじゃないか」「こいつバカだろう」「いい加減にしろよ」という感情が渦巻いていたと察するが、それにしても呆れた質問である。だいたい、「安倍政権を貶めるために、意図的に変な答弁をしている」というのはネトウヨばりの被害妄想以外のなにものでもない。こんなのが国会議員をやっていて、しかも自民党が満を辞して集中審議に送り込んだのだ。目眩がしてくるではないか。

 その後も和田議員はトンデモな主張を連発。たとえば、例の改ざん前文書の昭恵夫人が「いい土地ですから、前に進めてください」と発言したとする記載については、「もしかしたら皮肉をこめて、(いい土地だから)田んぼにでもしたらと言ったのでは」。破格の土地売買についても「すべては新たなゴミが出てきたという森友学園側の言葉から始まった」「損害賠償をするぞと半ば脅しに近いことを森友側に言われ続けた」と、とっくのとうに論理破綻しているシナリオをまくしたてた。

 何度でも言うが、改ざん前の文書に書かれた土地取引の経緯では、森友側の数々の要望に難色を見せていた近畿財務局が、昭恵夫人の名前が登場した直後に一転して快諾した事実が記されていた。これは、地中から新たなゴミが発見される前の話だ。

 たとえば、2014年10月7日には、近畿財務局は特例契約は厳しいと踏んでか、森友側に国有地を〈即購入することができないか検討を依頼〉するなど膠着状態になったことが記されている。だが、翌2015年1月8日、産経新聞が昭恵夫人の森友訪問の際、〈園の教育方針に感涙した〉という記事が掲載されたことを記したあと、つづく同年1月9日の文章では、〈近畿財務局が森友学園を訪問し、国の貸付料の概算額を伝える〉と記載しているのだ。つまり、昭恵夫人の名前が出たあとに〈即購入〉から〈貸付〉へと話が森友側の要望通りに動いているのである。この広報副本部長は、いったいいつまでこの不都合な真実から目を背け続けるのだろう。

 結局のところ、この二人の自民党議員の質問からは、財務省が決裁文書改ざんの犯罪を犯さねばならかった理由という問題の本質については、1ミリもわからなかった。逆に、明らかになったのは、集中審議の時間をこんなトンデモ質問、安倍礼賛、陰謀論によって埋めてしまった、自民党のヤバさに他ならない

 いや、冗談ではなく、なによりネトウヨに絶大な支持を受けている青山センセイと和田サンを、わざわざコンビで出してきたこと自体、「最後はネトウヨ頼りの安倍政権」というトホホな現実を如実に表している。これが日本の政権与党だという事実を、もっと有権者は深刻に受け止めるべきだ。

最終更新:2018.03.20 01:57

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