しかし、この無駄に血圧が高い“青山タイム”の存在感も、次の質問者に完全に食われてしまった。そう、朝日新聞のスクープをデマ扱いしてきた、自民党の和田政宗議員である。和田議員はまず、財務省にすべての責任を押し付けようとこうがなりたてた。
「財務省は自民党に対して官邸に対しても嘘をつきとおしたわけです。党や官邸が徹底調査を指示して隠蔽の扉をこじ開けなければ、財務省は内部で完全に書き換えの事実は隠されていたかもしれません」
「これは政治と官僚との戦いでもあります。官僚の暴走を許してしまった政治家も反省もしっかりしながら徹底的な究明をする」
もはやギャグレベルである。だいたい、官邸は5日に国交省から書き換え前文書の存在を報告されていたのに、安倍首相も菅官房長官もそのことを国民から隠していたではないか。それを、“改ざんが判明したのは官邸が調査を指示したから”なんて手柄ぶるって、ちょっと考えられないだろう。
しかし、唖然とすることに、和田議員は例の「私や妻が関わっていたら総理も国会議員もやめる」という安倍首相の答弁についても、この発言が改ざんのきっかけになったとみられているのに、逆に、歯が浮くような安倍礼賛に転用してしまったのである。
「この書き換えに関してですね、安倍総理の『私や妻が国有地払い下げに関わっていたのであれば総理大臣も国会議員もやめる』という発言について、この発言があったから財務省の官僚が忖度して書き換えをやった、不用意だったと言っている人や一部のメディアがありますけれども、これはとてもおかしな話でありまして、やましいことがあれば国会議員をやめるという決意はですね、これ政治家としてみなが肝に命じておかなくてはならないことでありまして、これだけの気概をもった政治家がどれだけいるでしょうか。その覚悟が褒められるならわかりますけども、批判される意味がわかりません。政治家は身を賭して政治を行う。こうした決意が批判されるなら、政治はそうした覚悟のない、極めて甘っちょろいものになってしまいます」
「これだけの気概をもった政治家」って……。だったら、昭恵夫人の存在が取引に大きな影響を与えたことが明らかになった時点で、安倍首相は総理を辞めているはずだろう。本当に、どんな思考回路をしたらこんなウルトラCの擁護ができるのか、和田議員に聞いてみたいものだ。