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のんやローラも救われる? 公正取引委員会がタレントの独立を阻む所属事務所の圧力を独禁法違反と認定

 これらの事例に対して、独禁法違反の排除措置命令を芸能事務所に出すことになるのは、一般的な社会通念からいって至極当然のことともいえる。いや、むしろ遅きに失したと言ってもいいだろう。

 こういった嫌がらせで特にひどかったのが、のん(能年玲奈)のケースだ。前所属事務所であるレプロエンタテインメントとのトラブルにより独立することになった彼女に対し、バーニング系列であるレプロは「週刊ポスト」(小学館)や「女性セブン」(小学館)といった御用メディアを通じ、「能年は旧知の演出トレーナーに洗脳されている」といった内容の記事を発信させた。

 のんに対する嫌がらせはこれだけにはとどまらない。事務所独立にあたり「能年玲奈」という名前を使用するのであればレプロの許可が必要との申し入れを行い、彼女は本名である「能年玲奈」を捨て「のん」に改名せざるを得なくなったのだ。

 また、復帰後にアニメ映画『この世界の片隅に』で主演声優を務めた際には、在京キー局の番組から締め出されてプロモーションができない
という事態も起きた。16年8月には、『めざましテレビ アクア』(フジテレビ)への出演が告知されたものの、実際の放送に彼女の姿はなかったという騒動も起きている。急きょ出演がなくなった理由は明かされなかったが、その裏にはレプロと、そのバックにいるバーニングからの圧力があったのではないかといわれている。

 のんのケースに関しては、バーニングに忖度するメディアからの嫌がらせが殊更にひどく、彼女の出世作『あまちゃん』(NHK)の資料映像を使う際には、のんが出演するシーンを巧妙にカットして使用するということも繰り返された。宮藤官九郎は「週刊文春」(文藝春秋)16年7月7日掲載の連載コラムで〈そう言えばトーク番組で『あまちゃん』の話題になり懐かしい映像が流れたのですが、映像使用の許諾が取れなかったのか、アキ(能年玲奈さん)がワンカットも映ってなかった。代わりに前髪クネ男(勝地涼くん)がガッツリ映ってて笑った。あまちゃんは能年さんの主演作ですよ、念のため〉と綴ったこともあった。

 芸能プロダクションとのトラブルが原因で嫌がらせを受けたり、継続的な活動ができないといった状況に追い込まれる例は他にも数多ある。暴力団と交際した過去があったとして事務所独立後に干された松方弘樹、独立後に引退報道や悪評をメディアに書き立てられた水野美紀と鈴木亜美、個人事務所の元社長と元専務を解任したところ、バーニングが元社長側につき、紅白歌合戦の連続出場まで途絶えた小林幸子など、挙げていけば枚挙に暇がない。

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