そう考えても、やはり安倍首相の平昌五輪開会式欠席の方針は、あからさまな御都合主義であり、“平和の祭典”のモロな政治利用としか言いようがないのだ。だが、他方、永田町では「総理が開会式に出る可能性は残っている」という見方も根強くある。
「“日韓合意新方針に対する抗議”というのは安倍首相の本音であることは間違いなく国内向けには強硬姿勢をアピールしているが、対外的にはそんなこと言えるはずもなく『国会があるから』などと言い訳を必死にひねり出している。慰安婦問題を理由に五輪欠席などと明言すれば、国際社会から大きな非難を浴びることがわかっていますからね。ここでもいつもの“二枚舌”です。しかも、北朝鮮情勢の今後の進展によって、五輪が“和平の象徴”として国際的にクローズアップされるような展開になったら、また手のひら返しでしれっと参加することも十分あり得る」(大手紙政治記者)
いずれにせよ、もともと日韓合意は見直されて当然であり、しかも政権が変わったのだから批判には値しない。同時に、文大統領が目指しているのが日韓関係の改善であることも疑いない。にもかかわらず、五輪の開会式に出ないなどと恫喝し、慰安婦問題を葬ろうとする安倍政権が異常なのである。そして、「国家間の約束だから」とバカの一つ覚えみたいに繰り返している国内マスコミ、「韓国のほうこそ謝れ!」とトンチンカンなことをほざいているテレビコメンテーターもまた、安倍政権の思惑に乗っかって思考停止しているのだ。くれぐれも騙されてはいけない。
(編集部)
最終更新:2018.01.13 09:09