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リテラの新年特別企画●フェイクニュース大賞(後編)

泉放送制作、前川出会い系バー、安倍の捏造も…リテラが選ぶ2017フェイクニュース大賞、いよいよ大賞発表!

★歴史修正賞
「慰安婦像のモデルは関係ない事故の被害者少女」の官邸デマに乗っかった「週刊文春」

 日本軍による慰安婦問題を象徴する少女像について、安倍政権が敵意をむき出しにしているのは周知の通り。保守系メディアは、少女像設置問題をあれやこれやと批判し、フェイクニュースを交えながら、韓国に対する憎悪と慰安婦問題自体をなかったことにしようとする歴史修正主義を扇動しまくっている。
 たとえば、「週刊文春」(文藝春秋)12月7日号の特集記事「『慰安婦像』の正体を暴く!」だ。記事の中で文春は、2011年にソウル日本大使館前に建てられた少女像について、「あの慰安婦像はもともと、慰安婦とは全く関係ない、事故で亡くなった少女をモデルにした像を転用したものだというネット情報です」なる官邸関係者のコメントを掲載。そのうえで、ネットに少女像のモデルは2002年に米軍の装甲車に轢かれて死亡した二人の女子中学生のうちのひとり沈美善(シム・ミソン)さんとする情報が流布しているとし、極右月刊誌「WiLL」10月号の「『慰安婦像』のモデルは米軍犠牲者の少女だった」(田中英道)を引用。文春記者が「WiLL」の記事を片手にミソンさんの父親を直撃し、「本当に美善が少女像のモデルなら不愉快です」なるコメントを掲載した(が、結局は裏どりできていないので空振り取材である)。
 ようするに、文春も「WiLL」も少女像とミソンさんの写真を掲載して「慰安婦像のモデルは別事件からの転用だった!」と主張しているわけだが、これは完全なデマである。本サイトでは、少女像の制作者夫妻がインタビューで語った制作の経緯を紹介しながら、たしかに夫妻が米軍装甲車事件で亡くなった中学生を追悼する作品も発表しているが、その作品の姿形は少女像とは似ても似つかないものであることを画像つきで指摘した。ちなみに、産経新聞の元ソウル支局長である加藤達也・社会部編集委員も今年行われた講演の中で「当時の記録を調べましたところ、米軍装甲車の女子中学生轢過事件の後にできた像と、慰安婦の像は別物です」と断言している。
 天下の文春がこんなネトウヨデマを報じたのもクラクラしてくるが、本当に恐ろしいのは、このネタを文春に吹聴したのが「官邸関係者」だということ。ようするに同誌が抱える“官邸マター記事”の腐臭がプンプンしてくるが、これは安倍官邸がメディアを使って、ネトウヨばりに頭の悪い情報操作を仕掛けているということの証左でもあるのだ。

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