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村本大輔、マツコ、水道橋博士、水原希子…炎上に負けず政権批判や反差別を貫いた芸能人「よく言った大賞」

★大賞 村本大輔(ウーマンラッシュアワー)
最強の「反戦芸人」としての地位を築いた1年。『THE MANZAI』の漫才は伝説に!

 今年の大賞は、やはりこの人をおいてほかにいないだろう。ウーマンラッシュアワーが『THE MANZAI』(フジテレビ)で見せた漫才は圧巻だった。
 村本といえば、今年8月には『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日)に初出演。「安倍さんは戦争の臭いがプンプンする人」「核の抑止力っていうのはほんとうに意味がない」などと物怖じすることなくはっきり意見を口にし、北朝鮮問題にも「対話」の努力を政治家に求め、その上、日本が侵略した過去にまで言及。終戦記念日には〈僕は国よりも自分のことが好きなので絶対に戦争が起きても行きません〉とツイートし、本サイトでは「最強反戦芸人」としてこの話題を取り上げた。
 そして『THE MANZAI 2017』で村本は、ウーマンラッシュアワーという芸人として、こうした政治批判を、なんと漫才のネタに見事に昇華し披露してみせたのだ。
 まずしょっぱなからテレビではタブー扱いの原発ネタをぶっ込んだのを皮切りに、沖縄の米軍基地問題、被災地の進まぬ復興、安倍首相の対米追従などを、村本の超高速かつ「立て板に水」の迫力ある語り口で次々と斬ってみせる。そして、最後はそういった問題を取り上げないメディアや国民の意識の問題を突きつけた。
 年が明けて1日未明の『朝生』でもそのスタンスはいささかもぶれることはなかった。リアリストを気取った論客たちが、憲法9条について、加憲か2項削除かなどというテクニカルな議論に終始するなか、村本は「憲法9条2項に何が書いてあるんですか」「(9条にあるとおり武力の行使を)放棄すればいいじゃないですか、非武装中立がいい」と敢然と言い放った。この発言に自称リアリストたちは「もっと勉強してから来い」「侵略されたらどうするんだ」などと村本を一斉に非難したが、「白旗あげればいい、殺すくらいなら殺される」「お花畑ですけど?」と一歩も退かなかった。そして「非武装中立と言ったとたんに、これでは議論が成り立たない」と現在の憲法議論の議題設定の狭さを突いた。
 例によって、放送直後から村本はネトウヨや冷笑系から一斉攻撃を受けている。2018年もこうした苛烈な非難に晒され続けるのは確実だが、無知やお花畑と非難されることを厭わず反戦を主張し続ける村本の存在は、貴重というだけでなく、かなり格好いい。どうか負けずにいまの姿勢を保ち続けてほしい。

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 いかがだったろうか。芸能人「よく言った」大賞。その発言の背景や内容を知れば、このランキングに名前を連ねた芸能人や文化人たちがいかに勇気ある言動をしたか、がわかるはずだ。
 実際、彼らは発言の後にネトウヨから大炎上を焚き付けられており、ツイッターなどSNSのアカウントをもっている人は、リプライ欄が地獄絵図のような状況になった。
 今後、メディアで政権批判をすることはさらに困難になり、同調圧力もますます強まっていくだろう。それでも、芸能人、タレント、アーティスト、作家の皆さんはぜひ、圧力に負けずに声を出し続けて欲しい。その言葉のひとつひとつがこの国を覆う閉塞状況を切り裂き、言論の自由を取り戻す第一歩となる。
 来年は「よく言った!大賞」の選定が困難になるほど、たくさんの人が声をあげる状況になってくれることを願っている。

最終更新:2018.01.02 11:04

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