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子連れ出席要求の熊本市議をつるの剛士が「育児を盾にするな」と攻撃! “やり方が悪い”批判の裏に親学的本音

 しかもつるのが悪質なのは、こうした親学との関係を隠し、あくまで“イクメンパパ”“日本大好きあんちゃん”といったキャラクターを装っていることだ。

 たとえば以前、Twitterでユーザーから日本会議との関係を指摘された際、

〈は、はい? 関係??存在すら知りませんが。。 勝手な妄想でレッテル貼りやめていただけませんか。〉

 ととぼけてみせた。100歩ゆずって「日本会議」については知らなかったのかもしれないが、「親学」との関係、過去に「親学」イベントに参加していることについて指摘されても、つるのはとぼけ続ける。

〈は、はい?どこからそんな話になるのか、、意味不明です それなんだかよく言われますが親学ってなんでしょうか?全く知りません。詳しく教えてください。〉 

〈僕がその親学とやらを教える会に??いやいや、僕はありがたいことに全国育時関係のイベントやトークショーにも呼んでいただいてますが、自分の育時の話しかしたことありませんし、ネット情報だけで突っかかってこられても、、ねぇ。。 いつか来てね!〉

 言っておくが、つるのが過去に「親学」イベントに参加したというのは、真偽不明のネットの噂などではなく、公式なポスターや告知なども確認されている事実である。また、もし1回だけなら「親学」についてよく知らず広告塔として利用されただけという弁明も通用するかもしれないが、つるのは複数回参加している。

 それだけではない。「親学ってなんでしょうか?全く知りません。詳しく教えてください」と無知を装っているが、それに対してユーザーが「発達障害、例えば自閉症は親の愛情不足が原因などと科学的に間違いを教える団体が『親学』です」と解説しても、つるのはそれをスルー。親学の内容そのものを否定することすらしないのだ。

 つるのは毎日のようにテレビに出演し、Twitterでは約59万人のフォロワーをもつ売れっ子タレントであり、意図的か無意識かはわからないが、明らかに百田尚樹や竹田恒泰らのようなネトウヨ論客の主張と地続きにあるような内容を、彼らのような極端なトーンでなく、“よき誠実な父親”というキャラクターのままで拡散していく。ある意味、ネトウヨにしか言葉が届かない百田や竹田よりもはるかに影響力が高い。

 今回の緒方議員に対するツイートも、「本当に悩んでいる働くママ達や子供が結局一番可哀想な思いをしてしまう」などと“子ども思いのイクメンパパ”というキャラクターを前面に出すことで“子育てのご意見番”からの正論のように受け止められる。それは、緒方議員へのバッシングを煽動し、女性の社会進出や子育てしやすい社会のための議論を封じ込めるものだ。その意味で、つるのの発言は非常に罪深く危険な発言だ。

 この問題は、ロイター、ワシントンポスト、BBCなど海外メディアでも広く報じられている。オジサン議員たちが緒方議員と赤ちゃんを取り囲む写真ととともに、赤ちゃんを議会から締め出したとして、議会の対応が批判されている。

 しかし現在の日本では、この緒方議員の切実な訴えよりも、つるのの発言のほうが賛同を集めてしまっている。女性や子ども、マイノリティが排除される社会は、結局は誰にとっても生きづらい社会でしかないと思うのだが、暗澹たる気持ちにさせられる。

最終更新:2017.12.21 05:04

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