abemaTV「徹の部屋」10月8日放送回より、見城徹・幻冬舎社長と安倍晋三首相
本サイトでも取り上げた幻冬舎社長・見城徹による安倍首相PR番組の放送問題だが、どうも“安倍狂いの出版社社長の暴走”という話ではすまなくなってきた。
この一件を改めて説明しておくと、総選挙の公示日2日前の10月8日夜、インターネットテレビ・AbemaTVで見城氏がホストを務めている番組『徹の部屋』に安倍首相が生出演。そこで、見城氏が、「ずーっと安倍さんのファン」「日本の国は安倍さんじゃなきゃダメだ」「世界が外交においても認めている総理大臣は誰もいない」「(独裁と呼ばれるのは)あまりにも実行力がありすぎるからだよ」「すごくハンサムですよ。内面が滲み出ているお顔ですよ」などと歯が浮くようなヨイショ発言を連発。聞いていて恥ずかしくなるような“接待放送”を繰り広げたというものだ。
幻冬舎の見城氏といえば、これまでも選挙のタイミングで、『約束の日 安倍晋三試論』(小川榮太郎)、『総理』(山口敬之)といった政権PR本を出版。また2015年には、安倍首相を中心に秋元康氏らと一緒に総理公邸で撮られた「組閣ごっこ写真」が流出したこともある。言わずと知れた安倍首相の有力な“お友だち”のひとりだ。しかし、マスコミ幹部が総選挙公示直前にここまで露骨なPRを展開するというのは、前代未聞だろう。
当然、この番組内容に対して、ネットはもちろん、報道関係者、出版関係者、さらには水道橋博士や小林よしのりら文化人からも厳しい批判の声が飛び出した。水道橋博士はこの見城社長と安倍首相のやりとりに〈是非、若者に見て欲しい。これが将来勝ち組になるオトナの会話だ。これくらい「飲み屋でやれ!」と思う映像も珍しい。〉とツイートしたが、まさにそのとおり!と言うしかない。
しかも、この見城社長による露骨な安倍ヨイショ番組の放送を批判しているのは外野だけではない。ほかでもないテレビ朝日の内部から、怒りの声が噴き出てきているのだ。
というのも、見城社長はテレビ朝日の放送番組審議会の委員長を務め、その立場で同局の安倍政権に批判的な報道にさんざん圧力をかけてきたからだ。たとえば、『報道ステーション』に対しては審議会で「政権批判だけでなく評価もすべき」という趣旨の発言をしたことが明らかになっている。それが、今回、自分は一方的に安倍政権をヨイショしまくったのだ。
「今回の放送にはさすがに局内からも激しい批判の声が上がっています。何しろ、我々の報道に『一方的だ』などといちゃもんをつけておいて、自分はあんな露骨な政権PR放送をやっていたわけですから。偏向しているのはそっちだ、という話ですよ。もともと、見城氏に対しては『こんな政権べったりの人間を番組審議会のトップにしていていいのか』という不満がくすぶっていましたが、今回のAbemaTV問題で、不満の声は最高潮に達している」(テレビ朝日関係者)