安倍首相が演説するなか、「お前が国難」というプラカードが必死に隠されている。
「いまから国分寺に安倍総理が来るらしい」──こんな情報が本日14時過ぎあたりからSNS上で駆け巡った。既報の通り、安倍首相は昨日おこなわれる予定だった新百合ヶ丘駅前の街頭演説を「ヤジ」が嫌だという理由でドタキャン。なんと急遽、4駅離れた向ヶ丘遊園駅前に場所変更するという逃亡劇を繰り広げたばかりだ。
実際に国民から逃げる総理など前代未聞だが、そのため、Twitterでは「ほんとうに来るのか」「また直前に逃げるのでは」などと意見が飛び交い、「国難来る」「会いに行ける国難」というハッシュタグまで登場した。
自民党総裁の街宣なのに、国分寺での安倍首相の街頭演説について、自民党広報から国民への事前告知は一切なし。過剰警備と設置されたマスコミの取材スペースの大きさから推測された情報だったが、「国難」に会いに、本サイトも国分寺へ足を運んだ。
結論から言うと、安倍首相はたしかに国分寺にやってきた。だがそれは、異様な空気が漂うものだった。
通常は演説者らが登壇する街宣カーには「内閣総理大臣・自由民主党総裁 安倍晋三」とデカデカと書かれた垂れ幕を下げるが(そもそも公職選挙法的に「総理大臣」と掲げるのは問題があると思われるのだが)、今回は事前に登場を気付かれたくないためか、「自民党」という垂れ幕が寂しく下がるだけ。さらに、街の規模に対して過剰な警察官やSPを動員するなど、ピリピリしたムードが立ちこめていた。
しかし、もっとも驚かされたのは、自民党関係者と思われる者たちの行動だ。
安倍首相が演説をはじめると、聴衆からは批判のヤジが飛び出した。安倍首相は事前告知がないゲリラ登場だったせいか、その声は今年7月の秋葉原街宣とは違って小さなものだったが、さらに写真の通り、自民党関係者たちは「お前が国難」というプラカードを掲げる人たちの前に自民党の幟を持って立ち塞がりはじめたのだ。
この光景は秋葉原でも見られたものだ。秋葉原では凄まじいコールとともに、「安倍やめろ」という巨大な横断幕が掲げられたが、このときも自民党の関係者が必死でそれを隠そうと党の幟を持って立ち塞がった。この様子はメディアでも取り上げられたが、きょうも、同じことをやってみせたのだ。