小池ゆりこオフィシャルウェブサイトより
原子力規制委員会は昨日、新潟県の柏崎刈羽原発6・7号機について、東京電力が示した安全対策が新基準に適合しているとし、事実上の審査合格を出した。福島第一原発の大事故発生から約6年半、1・2号機の使用済み核燃料の取り出し開始を3年先延ばしにするなど廃炉作業も進んでいないにもかかわらず、東電に原発を再稼働させようというのだ。
昨年おこなわれた新潟知事選では、原発再稼働反対を掲げた米山隆一氏が当選し、各社の世論調査でも再稼働に反対する人が多勢を占めている。だが、そうした民意を無視し、安倍政権は強引に再稼働に舵を切ってきた。
そんななか注目を集めているのが、希望の党・小池百合子代表による「原発ゼロ」宣言だ。昨日報道された希望の党の選挙公約の原案でも「2030年までの原発ゼロ」が謳われており、小池新党に期待を寄せる声も聞かれる。
小池代表の「原発ゼロ」が本気であれば、今回の規制委の合格判定には「柏崎刈羽原発の再稼働をさせてはいけない」と今すぐ声をあげるべきだ。
だが残念ながら、小池代表がそんな声をあげることはないだろう。それどころか、小池代表の言う「原発ゼロ」がハッタリにすぎないことを自らどんどん露呈させている。
ここにきて小池代表はあろうことか、原発再稼働を容認すると発言をしたのだ。
3日に鹿児島県で開かれた東京五輪関連イベントに登場した小池代表は、囲み取材で「九州では川内原発も稼働、玄海原発も来年に向けて準備が進んでいるが、実際に原発ゼロにできるのか?」という記者からの質問に対し、原発ゼロに向けた「工程表も用意している」と明かしながらも、こんなことを言い出した。
「規制委員会がですね、客観的に科学的に総合的に判断されている再稼働については、これに異論を唱えることはございません」
小池代表は規制委の判断を容認するというのだ。「原発ゼロ」を訴えている人物が、再稼働にはNOと言わず容認する。完全に矛盾しているではないか。
しかも、「異論は唱えない」と言った小池代表は、つづけて「2030年ということを目処にしながらですね、どのようにしてフェードアウトしていくのかというのを考えるのも国家としてのエネルギー政策のひとつではないかということを提唱しているわけでございます」と述べた。