──まず今回の「永久凍結」前後の経緯を。
19日の0時ちょうどに〈飲まないと本が読める〉というツイートをした。本当に本を読んでおり、担当編集者から「Twitterの表示がおかしい」とメールで連絡が入って初めて凍結に気づいた。事前の警告や理由説明はなく、突然だった。
過去に2回、機能制限を受けてアカウントがロックされた時(いずれも2017年7月。1回目は12時間、2回目は1週間)は、Twitterにアクセスすると、問題とされたツイートが二つ三つ表示された。いずれも人と会っている時に「表示がおかしくなっている」と手元のスマホに連絡が入ったので、瞬間的に確認しただけで操作の流れで削除してしまった。内容まで覚えていないが、誰かから来たレスの引用RTだったと思う。具体的にどの文言がどう問題だったかはわからず、完全に納得したわけでもないが、削除したため確認のしようがない。
ところが今回は一切説明がない。Twitter社に理由を開示するよう問い合わせフォームで求めたところ、19日17時21分に返信が来た。すでに公開している通り、こんな内容だった。
〈あなたのアカウントはTwitterルール(https:twitter.com/rules)に違反していることが判明したため、凍結されました(特定の人物に向けた嫌がらせ行為に関するルール)。このアカウントは復活されません〉
Twilogで確認してもらえばわかるが、「特定の人物に向けた嫌がらせ行為」などしていない。攻撃的なメンションを受けた時に反撃として強い言葉を使うことはある。また、著名人や政治家などが自己の影響力を省みずにおこなった差別言動を強く批判したこともある。だが、攻撃的行為やヘイト行為はTwitterルールで明確に禁止されており、先にそういう行為をした者に対して反撃や批判をすることは、なんら問題ないと考えている。
それでも「特定の人物に向けた攻撃的な行為や嫌がらせ」があったと言うのなら、Twitter社はどのツイートがそれに当たるかを示すべきだ。自分は約10年間にわたり22万件以上のツイートをし、6万4000人あまりのフォロワーがいた。いわば、その「資産」を失ったようなもの。理由もわからず説明もないままアカウント凍結となると、ユーザーの間に疑心暗鬼が広がり、言論の萎縮につながる。
──ご自身のツイートに心当たりはなく、Twitter社に再回答を求めているとのことだが、ではなぜ今回のようなことが起こったと見ているか。
ひと言で言えば、「ヒマなネトウヨの黒い情熱に毒されているだけ」だと思う。僕に攻撃的なメンションをして強く反撃されたり、日頃から僕の言ってることが気に入らないやつらが、コツコツと勤勉に、大量の通報行為に励んでいるんでしょう。彼らは、時間と、リベラルや反ヘイトなどの主張を憎む気持ちだけはあり余るほど持っている。気に入らない人間を黙らせるためなら、黒い情熱をいくらでも燃やすんですよ。
それを駆動させているのは、人権や自由や平等といったリベラルな価値観を押し付けてきた学校教育への恨みや憎しみだったり、はっきりと物を言う女を黙らせたいというミソジニーだったり。水原希子さんへのヘイトが問題になっているが、あれは国籍や名前の問題よりも、物を言う女性への反感だと僕は見ている。
Twitter社は一つ一つのツイート内容を厳密に検討しているわけじゃなく、菅野に関する通報が大量に届くので、機械的に対応したということなんだろう。だって、それほど厳密にルールが適用されているのなら、日常的に差別扇動をしている桜井誠や高須克弥のアカウントがそのまま放置されるはずがない。試しに「朝鮮人 死ね」と検索窓に入れてみてくださいよ。見るに堪えないヘイト言説がいくらでも出てくる。